今、問題になっているコロナウィルスの問題に限らず、平時から非常時に切り替わる瞬間があります。
21世紀になってからを振り返るだけでも、リーマンショックや東日本大震災など、その後の日本が変わるような出来事が、いくつもありました。
しかしながら、変化し続けているように見える一方で、平時と非常時が循環しているとも言えます。
平時がずっと続くことはなく、非常時がずっと続くこともないからです。
どちらかになると、必ず次はその反対がやってくる。世界は、そのようにして流れているようにも思えます。
そして、このような状況から、やはり世界と人間の仕組みは、そう大きくは変わらないとも見えます。
このような視点から、コロナウィルスについて、考えてみたいと思います。
コロナウィルス問題について考える
問題のコロナウィルスですが、薬局やスーパーには長蛇の列ができていて、マスクを買い求めるために、寒い中我慢しているような状態のところもあるようです。
これを読んで頂いている方で、その行列に並んで、マスクを買い求めた人はいないのではないか、と思います。
普段、会社を経営している経営者にとって、様々な情報を元に、状況を判断することは、日頃からやっていることだからです。
そして、現状において、正しい情報を流しているメディアは、ほとんどありません。
コロナウィルスによる累計の感染者数や地域などは、日々報道されています。 しかしながら、コロナウィルスに関して、どのようなウィルスで、どのように対策をしてい くことが大切なのか。
このウィルス特有の注意点などはあるのか。こういった情報を正確に 流しているところは、ほとんどありません。(2020年3月上旬現在)
何かの情報に出会う時、その情報の出どころと意図について考えてみる
ニュースに限らず、情報は日々、取捨選択されています。
言い換えれば、そこで紹介されている情報は、選ばれたものなのです。
紹介している情報の裏には、多くの紹介されなかった情報があるのです。
しかしながら、どういう経緯で選ばれたかのかは、外から伺い知ることはできません。
もしかすると、中には、スポンサーに配慮した上で、カットされた情報もあったかもしれません。
何かの情報に触れる時には、「そのことが言っていることではなく、言っていないことを見なければならない」と言えます。
それと同時に、その情報を出している意図について、注意深く考えていく必要があります。
現実に、不安を和らげるようなネットのページと思いきや、オススメの食品や商品を紹介しているページだった、という笑えない話もあるからです。
このように見ていくと、あらゆる情報は何かしらの意図を持っていると言えます。
数字というマジック
今回のコロナウィルスの問題に対して、恐怖や不安を覚える人も多いです。感染者の数が日々増えていますし、亡くなっている方々もいらっしゃるので、自然な流れとも言えます。
しかしながら、何かの数字や状況報告を図や表で見る時に、注意しておきたい点も存在します。
日々、情報と接している経営者であれば、もはや当たり前のことかもしれません。
ただ、改めて確認しておくと、感染者数に関しては、総じて累計の数字を出し続けています。
現状、日々の報告者数を把握するのは難しかったとしても、週単位で、新しく感染した人の数を比較して、前の週と今週で増減をチェックすることはできるはずです。
それから、感染者の方々がどのような治療を受け、重篤な患者は、どのような対応をされているのか、冷静に見ていく必要があります。
具体的に、どのようになっているかについては、政府の専門家会議や厚生労働省等のページ を見て頂ければと思います。
ただ、このようにして、ひとつひとつ、「それはどのようであるのか」ということについて、 客観的な把握に努めていくと、不安感を払拭できるのではないかと言えます。
数字という概念そのものが、人間による捏造
さて、ここまで、「正確な情報」「情報の意図」「数字というマジック」という視点から、非常時の対応について見てきました。
特に、数字の見せ方については、注意が必要であることも触れました。 見せ方によっては、解釈の変更を読み手にさせることができるからです。
そして、数字そのものについても、人間が作り出した概念の1つに過ぎません。 例えば、「2」という数字があります。 これが、2つとか2個といった意味であることは、当たり前のこととして、扱われていま す。
しかしながら、「2」というこの記号が、2つという意味を指しているのは、人間が決めたルールなのです。
別に「・・」という記号を2つという意味にしても良いはずですし、「/」という記号を使っても 良いわけです。
ちょっとわかりにくいという人がいれば、2という意味を指すものとして、日本であれば、「 二」とか「弐」でも良いわけです。
そのため、数字そのものが、全て人間が決めているに過ぎないことがわかります。
コロナの問題を1つ取っても、現れる会社の実態
こういった非常事態に対して、経営者がどのように対応するか、社員は見ています。
取り付け騒ぎになって、閉鎖に追い込まれる銀行や、イベントや催し物の中止によって、資金繰りが間に合わず、倒産に追い込まれた会社もある状況です。
自分の会社は、大丈夫だろうかと、一般の社員が不安になるのも、無理はありません。
テレビや雑誌に出るような経営者は別として、本来の経営者は、とても地味です。
今の時代に、いつも暇そうにしていて、新聞を読んでいるような経営者がいたなら、それはそれで幸せなことでしょう。
けれども、緊急時は別です。 いかに事態の把握に努め、正確な情報収集に、力を注ぐ必要があります。
そして、今回の一件が戻り次第、日常は再開するので、再開後の会社についても、今のうちから考え、備えておく必要があります。
こういう非常時に、大衆が群がっているところに、打開策はありません。
なぜならば、デマや間違った情報に踊らされて、扇動されているため、同じような動きになるから、局所的に集中するのです。
今回であれば、マスクやトイレットペーパー、お米ですね。 2020年3月上旬現在、未だにマスクは、街中の一般向けには売られていません。
薬局やスーパーの開店前に、列をなして、その日に入荷があるかどうか、確認に来ている状態のところもあるようです。
医療従事者や患者などに優先的に配っているとのことですが、実際に、そのように回っているのかは不明です。
話は元に戻りますが、もし本当に一般大衆が、バラバラに混乱しているならば、ある人は〇 〇、ある人は〇〇と、バラけるはずだからです。
そういう点で、メディアは、扇動者になりうる存在であることを注意しながら、利用する必 要があると言えます。
そして、情報の内容よりも、情報の出し方や背景、出し主の意図など、冷静に見定めなければなりません。
今の段階から、事態終息のために準備できるか
先程触れたように、コロナウィルスの一件も、いつかは鎮火し、日常が戻ってきます。
今のような混乱している上に、全体的に自粛ムードになっている中で、経営者は、収まった時に備えて、今から思考し、準備していきたいところです。
今から準備するのは、日常が戻ってから、ゆっくり考えていたのでは間に合ないからです。
これは、反対の状況を考えてみると、よくわかります。
非常事態の際に、起こってから非常事の対策をするのでしょうか。ということです。
今回のコロナウィルスの一件でもそうでしたが、一度騒ぎが起こると、日常では起こらないことが、どんどん起きてきます。
街中からマスクが無くなったのが、良い例です。 なので、そういった事態が起こる前に、日頃から備えておく必要があるわけです。
まとめ
これまで、コロナウィルス問題に関して、会社における経営者の受け止め方で、今後の対応が変わってくることについて、お伝えしてきました。
そもそも今回の問題に限らず、何かの情報に出会う時は、その情報の出どころと、その意図 について、把握しておきたいところです。
それは、何かの情報を出すということは、情報を提供する側が、何かしらの意図を持っているからです。
そして、何も無いのに、情報を流したり、宣伝したりする人はいません。
ニュースや新聞、インターネットといったメディアは、たくさんある情報の一部を、取捨選択して流しているに過ぎません。
そのため、重要な情報が流れなかったり、本当に必要な情報が届かなかったりするのです。
それから、こうした非日常において、いつも以上に、経営者の判断が求められるということを書いてきました。
日常であれば、経営者は社内を見守りながらも、ある程度は、社員に任せることもできるでしょう。
しかしながら、非日常において、それはできません。
世界が混乱して、方向性を見失っている今だからこそ、経営者自身、そして、御社の顧客に 対するリーダーシップが必要とされているのです。