経営を安定させるためには新規顧客を獲得することももちろん大切ですが、リピーターを獲得することも同じように重要です。

リピーターが増え、何度も商品を購入するお客様が増えれば売上は安定します。

反対にリピーターが少ないと常に新規顧客の集客に追われ、売上も安定しないでしょう。

BtoBのビジネスの場合、お客様はBtoCに比べると商品やサービスを契約する前にしっかり検討するため、リピートは比較的獲得されやすいです。

それでもやはり何らかの施策を実行することで、リピート率は高くなります。

そこで今回はBtoB企業がリピートを獲得する手順について徹底解説していきます。そもそも何故リピーターが重要なのか、リピーターになってもらえない理由といった基本的なこともご紹介していきますので、リピート率や売上に悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。

BtoB企業がリピートを獲得すべき理由3つ 

集客といえば新しい顧客を獲得することに力を入れがちですが、リピーターを増やすことも非常に大切です。

まずはなぜリピートを獲得すべきなのか、その理由をご説明していきましょう。

顧客獲得のコストが削減できる

リピートにまつわる「1:5」という有名な数字があります。これは新規顧客に比べるとリピーターは獲得コストが5分の1で済むということを意味しています。

一度商品やサービスを購入した既存客は会社に対して信頼を持っているため、まだ顧客になっていない人に比べると購入の決断を早くしやすいのです。

やはり会社にとって集客にかけるコストは安ければ安いほど良いもの。効率よくお客様を集めるためにもリピート対策に力を入れましょう。

購入単価が上がる

リピーターには購入単価が高くなりやすいというメリットがあります。

一度商品を使った経験があるため、次に新しく商品を購入するときに良いプランや高額のサービスを購入しやすくなるのです。そのため、新規顧客に比べると購入単価が上がります。

リピーターが増え、購入単価も増えれば売上もどんどん上がっていきます。

お客様を紹介してもらえる

商品やサービスを何度も利用しているということは商品や会社の対応を気に入っているということです。

こうしたリピーターはかつての自分と同じような悩みを抱えている人に出会ったら、その人に商品を勧める可能性が高いです。

口コミや紹介の力はとても強く、会社の資料やサイトに書かれていることよりも信頼性があるため、聞いた人の行動を促しやすいです。

このようにリピーターを増やすことは新規顧客を増やすことにも繋がります。

お客様がリピーターにならない理由3つ 

リピートを増やすためにはリピーターにならない理由を知っておくことも大切です。

理由を知っておくことで、よくある失敗を防ぐことができますし、効果的なリピート施策を作ることにも繋がります。

ぜひこれからご紹介する3つの理由を把握しておきましょう。

商品やサービスが良くなかったから

まず、リピートしてもらえない理由として考えられる1つ目の理由は商品やサービスが良くなかったというものです。

商品を使ってみて、満足できなかったり、不満があったりすれば当然もう一度商品を買おうとは思いません。

つまり、リピート率を上げたいのであればリピーター獲得のための施策を考える前に「ぜひもう一度使いたい」、「この会社は信用できる」と思ってもらえるような商品やサービスを作っておくことが欠かせません。

サポート体制が良くなかったから

商品やサービスは良くても、リピートしてもらえないこともあります。その原因の1つとしてサポート体制が良くなかったことが考えられるでしょう。

商品を使っていて分からないことがあったときに問い合わせをしたものの、丁寧に対応してもらえなかったり、なんとなく担当者の印象が悪かったりすると信頼性は下がってしまいます。

例えば美容院に行ったとき、カットの腕は良かったものの、担当の美容師さんの愛想が悪かったり、受付スタッフの対応に不満があったりしたらもう行こうとは思わないのではないでしょうか。

このように本来の目的は達成できたとしてもその他の面で不満があればリピーターにはなってもらえません。

そもそも忘れてしまっているから

お客様がリピートしない理由として意外と多いのが「単に忘れてしまっているから」というものです。

販売する側は一度サービスを購入したお客様に対して「また同じようなことで困ったときには声をかけてもらえるだろう」と思うものです。

しかし、お客様は時間が経つとかつて自分が利用したサービスのことはすっかり忘れてしまい、また1から会社探しを始めることは珍しくありません。

リピートを獲得するためにはこのように顧客に忘れられないようにするための対策が必要です。

BtoB企業がリピーターを獲得する手順8つ 

リピート獲得は何か1つの策を実行するのではなく、顧客の獲得から商品・サービスの購入後までリピートを獲得できる流れを作り、さらにそれぞれのプロセスの中で効果的な対策をすることで結果を出すことができます。

そこでBtoB企業がリピートを獲得する手順をご紹介していきましょう。

リピート率の目標値を設定する

リピートを獲得するためにはまずはリピート率の目標値を設定することが欠かせません。

ただなんとなく集客するよりも、具体的な目標を設定することで意識的に動くことができるようになり、リピート率も上げることができます。

そこでリピート率の目標を決めましょう。

リピート率はリピート顧客の数を新規顧客の数で割り、100をかけたものです。
例えばある月の新規顧客数が50人で、リピーターが10人であればリピート率は10÷50×100で20%となります。

ターゲットを詳しく設定する

集客はただたくさん顧客を集めればいいというものではありません。

大切なのは商品やサービスに対して本当に興味がある人を集めることです。

あまり興味がない人に購入してもらっても、満足度は低く、リピーターにはなってもらえないでしょう。

そこで商品・サービスに興味を持ってもらえそうな人を集めるために、まずはビジネスのターゲットを決めましょう。

どんな会社に購入してもらいたいのか、その会社の資本金や従業員数はどれくらいか、業種は何かと行った具体的なことまで決めると、ターゲット像がはっきりしてきます。

ターゲットに合う企業にアプローチする

ターゲットが決まったらいよいよ集客をしていきます。集客はDMやパンフレットの送付やテレアポなど色々な方法があります。

いずれの集客方法でもまずはターゲット像に合う会社をまとめたリストを作り、それに対してアプローチしましょう。

ターゲット企業と信頼関係を作る

見込み客に対してはいきなり売り込むのではなく、まずは信頼関係を築くことから始めましょう。

まだ信頼関係がないうちから売り込んでしまうと、顧客は悪い印象を抱き、離れてしまいます。

信頼関係を築くには色々な方法でアプローチを続けることがポイントです。

接触回数が多くなればなるほど相手はこちらを信用しやすくなります。

深く興味を持ったタイミングでクロージングする

商品を契約してもらうために最終的にはクロージングをすることになりますが、このプロセスで大切なことは「相手が深く興味を持ったタイミングで商談に入ること」です。

いくら接触を続けていても、まだ相手が商品に対してあまり関心がなければクロージングをしても断られてしまいます。

また、仮に購入してもらえても「思っていたのと違う」、「やっぱり買わなければ良かった・・・」と満足度が下がってしまい、リピートはしてもらえません。

そこで関係を続ける中で相手がどれくらい自社の商品に対して興味を持っているかを慎重に見極めましょう。

購入後もコンタクトを取り続ける

先ほど説明したように、商品を購入いただいた後は忘れられないようにするための対策が必要です。忘れられないようにするためには購入後もコンタクトを取り続けることが有効です。

メールで商品購入後のフォローをしたり、電話で担当者と連絡を取り続けたりすることで、また何か悩み事が生まれたときに思い出してもらえます。

目標値を振り返る

リピートのための施策が上手くいっているかを確認するためには定期的にリピート率の目標が達成できているかを振り返りましょう。

目標は立てるだけでなく、振り返って初めて効果的に活用することができます。

また、ただ目標値と結果を比べるのではなく、なぜその結果に至ったのかという要因を目標を達成した場合でも達成できなかった場合でも考えましょう。

月末などリピート率を振り返るタイミングをあらかじめ決めておくのがおすすめです。

新しい戦略を練り、実行する

結果を振り返り、その結果に至った理由が分かったら、次の戦略を考えましょう。

前回の反省を生かして改善策を考え、実行することによって効果的なリピート施策ができるようになります。

最初はあまり成果が出なくてもこれを繰り返していくことでだんだん目標達成に近づいていきます。

BtoB企業がリピーターを獲得する具体的な方法5つ 

リピーターを増やすためには上記のようにリピートを獲得するための流れを作っておくことが大事ですが、この他にもリピート対策の方法が色々あります。

最後にリピーターを獲得する具体的な方法をご紹介していきます。

オウンドメディアで有益な情報を発信する

相手からの信頼を築くためにはオウンドメディアを活用しましょう。

オウンドメディアはDMやメルマガのようにこちらからターゲットにアプローチするタイプのメディアではありませんが、公式サイトで有益な情報を日々発信することによって信頼性を高めることができます。

自分が発信したいことではなく、ノウハウや業界ニュースなど相手にとって役に立つ情報を発信するのがポイントです。

フィールドセールスを活用する

商品購入後にもう一度買おうと思ってもらうためには、最初の購入の前に内容や値段などあらゆる面で納得した上で購入してもらうのがポイントです。

どこかで不満な点や分からないことがあるまま契約いただくと、購入後にトラブルが発生する恐れがあります。

商品・サービスについて十分納得してもらうためにはフィールドセールスを行い、担当者と直接顔を合わせながら一通り商品について説明をしましょう。

認知の拡大はインサイドセールスで行い、契約の段階になってきたらフィールドセールスを活用するというように上手く使い分けることで効率よくターゲットの集客ができます。

顧客満足度調査を行う

顧客満足度調査はリピート率を増やすことに繋がります。

高いリピート率を維持するためには常にお客様が商品やサービスに対して満足できる環境を用意しておかなくてはいけません。

実際に商品を利用した顧客の感想はこうした環境を作る大きなヒントになるはずです。

調査結果から問題点を見つけたらそれを改善するための策を考えましょう。

休眠顧客を掘り起こす

リピートしてもらえない原因として多いのが「商品や会社のことを忘れてしまっている」ことです。

一度商品を購入したもののその後音沙汰がない顧客、つまり、休眠顧客は商品のことを忘れている顧客と言えます。

一度商品を使っているだけに、休眠顧客はこちらからアプローチをすると購入を検討する可能性が高いです。

そこでDMやパンフレットを送ったり、テレアポをしたりして休眠顧客に自社のことを思い出してもらいましょう。

既存顧客用のメルマガを用意する

リピート対策を効率的に行いたいなら、商品を購入した顧客に対してどのようにアプローチするのかをあらかじめ決めておき、その仕組みを準備しましょう。

例えば商品を購入した顧客用のメルマガを用意するという方法が考えられます。

メルマガはあらかじめ内容と配信タイミングを設定しておけば自動でリスト上の相手に送信されます。

設定内容によっては複数回送信することもできるので、継続的にアプローチをすることも可能です。

まとめ 

リピーターは新規顧客に比べると獲得コストが5分の1で済み、さらには購入単価が高かったり、お客様を紹介してくれたりと企業にとっては大きなメリットがある存在です。

リピートを獲得するためには商品やサービスのターゲットとなる顧客を集め、興味が深くなったところでクロージングに入り、購入後も接触を続けるという流れが大切です。

ぜひこの流れを意識して集客を行い、リピーターを増やしましょう。