営業と聞くとターゲットの会社に直接訪問する様子を思い浮かべる人が多いと思います。

こうした訪問型の営業はフィールドセールスと呼ばれます。

フィールドセールスは営業の基本なので、どんな特徴があるのかを知り、それに合わせて営業の戦略を練ることが重要です。

また、営業を成功させるためのテクニックを知っていれば成功率を上げることができるでしょう。

フィールドセールスは外勤型の営業ですが、反対に社内に居ながら営業を行うインサイドセールスというものがあります。この営業方法を取り入れる企業は増えており、フィールドセールスと上手く組み合わせればより効率的に営業することが可能になります。

フィールドセールスのメリット・デメリットや成功させるポイント、さらにインサイドセールスと組み合わせる方法について解説していきます。

今一度フィールドセールスについて勉強し直したい方やフィールドセールスの成功率を上げたいという方はぜひ参考にしてください。

クロージングに強いフィールドセールスとは 

フィールドセールスは相手の会社に直接訪問し、商品の提案や商談を行う営業です。

外勤型営業と呼ばれることもあります。

リードを獲得するところからクロージングまで一人の営業マンが行うのが一般的です。

ちなみにフィールドセールスとは反対に、電話やメールなど会社に居ながら営業を行うものはインサイドセールスや内勤型営業と呼ばれます。

フィールドセールスは鉄板とも言える営業方法ですが、近年はネットの普及に伴い、インサイドセールスを取り入れる会社も増えています。

しかし、フィールドセールスはクロージングをするときに非常に向いているため、未だ多くの企業で活用されています。

フィールドセールスのメリット5つ 

フィールドセールスは直接相手と顔を合わせて話すからこそ色々なメリットが得られます。

まずはフィールドセールスを利用するメリットをまとめました。

信頼を得やすい

フィールドセールスの大きなメリットは相手からの信用が得やすいことです。

インサイドセールスでもリードと関係を築くことは出来ますが、実際に顔を合わせる場合の方が信頼してもらいやすいです。

商品やサービスを購入してもらうためにはまず信頼してもらうことが重要で、特に高単価の商品を販売する場合はフィールドセールスでしっかり信頼を構築しておくことが求められます。

複雑な説明がしやすい

商談では商品について詳しい説明をしますよね。

時には複雑な説明もあるかもしれませんが、対面での営業であれば相手の様子を見ながら言葉選びや話の流れを変えられるので、難しい内容でも説明しやすいです。グラフや図などを見せながら話せるのもメリットですね。

一方で電話やメールでは相手の様子が分かりにくく、さらには資料を見せながらの説明ができないので、複雑な内容の話は向いていません。

話がスムーズに進む

Web会議ツールを使った営業はインサイドセールスの手法の1つですが、相手の顔を見ながら話ができます。

これならフィールドセールスとあまり変わらないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、どうしても時差が発生してしまうという難点があります。

相手の話が終わったと思って話し出したら、話の続きがあったり、お互い同時に話出してしまったりとWeb会議ではコミュニケーションが取りづらいこともあります。

しかし、フィールドセールスなら同じ場にいて会話をするので話をスムーズに進めることができます。

相手の会社に関する情報が得られる

フィールドセールスでは実際に相手の会社まで足を運ぶため、色々な情報が得られます。

例えば会社の周りの街の雰囲気が分かりますし、実際の会社の中の様子も見ることができます。

こうした情報はアイスブレイクで話題に出したりと相手と距離を近づけるのに役立ちます。

話に集中してもらえる

インサイドセールスでの営業は同じ場に居合わせないので、話しながらも他のことに目がいってしまい、話を集中して聞いてもらえないことがあります。

しかし、フィールドセールスではお互いが同じ空間に居て1対1で話をするので、他のことに気をとられることはなく、こちらが話したい内容をじっくり聞いてもらう環境を作れます。

フィールドセールスのデメリット5つ 

顧客との信頼関係が築けたり、複雑な説明がしやすかったりと営業する上で強いメリットがあるフィールドセールスですが、一方でデメリットもいくつかあります。

デメリットがあるからといって悪い営業方法というわけではなく、欠点を補う方法を考えて対策をすれば活用することができます。

そこでフィールドセールスのデメリットについても解説していきます。

営業の効率が悪い

まず、フィールドセールスには営業の効率が悪いというデメリットがあります。

訪問型の営業では相手の会社に伺うため、移動時間がかかります。

その分1日に営業できる数は少なくなってしまいます。

電話やメールによる営業なら移動時間が必要ないため、1日当たりの営業数が多く確保できます。そのため、フィールドセールスからインサイドセールスに切り替える企業が増えてきています。

コストがかかる

移動があることでコストがかかるというデメリットも生じます。

相手の企業に訪問するには車のガソリン代や交通費がどうしてもかかってしまいます。

特に遠方への営業の場合は交通費がより高くなり、さらには宿泊費がかかることもあります。

もし、契約が獲得できなかったときはこれらのコストが全て無駄になってしまいます。

このように1件の契約にかけるコストが大きくなってしまうのがフィールドセールスの特徴です。

ネガティブな印象を与えることがある

訪問営業は一般的に行われているものですが、突然訪問されたり、自分の時間を奪われてしまうことからネガティブな印象を持っている経営者も少なくありません。

そのため、飛び込み営業をすることで会社や商品・サービスに対して悪い印象を抱かれてしまうこともあります。

こうした状況を防ぐためにはあらかじめ電話などで訪問することを伝えておいて了解を得られてから行くのが効果的です。

冷たく対応されることがある

相手の企業に訪問したときに冷たくあしらわれるのは珍しいことではありません。

時間をかけて来たのに見向きもされたかったり、冷たく対応されたりしたら、例え数をこなしている営業マンでも当然傷ついてしまいます。中には追い返されることが続くことで営業が嫌いになっていく人もいるでしょう。

このようにフィールドセールスでは社員が精神的に疲弊するというデメリットがあります。

最悪の場合には営業が嫌になったことで退職に繋がることもあるので、営業の担当に苦手意識を持たせないような工夫が必要です。

人手が必要

フィールドセールスではリードの獲得からクロージングまで一人が担当するケースが多いです。

そのため、多くの企業と関係を築こうと思ったら多くの営業担当者が必要になります。

しかし、最近は人手不足に悩む企業が多く、営業だけに人手を回すのは難しいです。

また、「営業は大変」というマイナスイメージから営業職を避ける人も少ないことが人手不足に追い打ちをかけています。

そのため、多くのリードに対応するには少人数でも営業ができるような仕組みを作ることが求められます。

営業効率を上げるにはインサイドセールスとの連携が重要 

営業効率が悪い、人手が必要といったデメリットがあるフィールドセールスですが、こうした欠点を補い効率よく営業をする方法があります。

それはインサイドセールスと連携することです。

インサイドセールスは社内に居ながらリードに対してアプローチをするため、移動時間が必要なく、1日に多くの営業をこなすことができます。

そのため、フィールドセールスのデメリットを補うことができます。

まずはインサイドセールスで認知を広げ、リードとの関係を構築し、商品やサービスへの興味や購入意欲が高まってきたところでフィールドセールスにバトンタッチし、クロージングを行えば両方のメリットを活用した効率的な営業が実現します。

フィールドセールスを成功させるコツ7つ 

フィールドセールスは信頼関係を構築したり、クロージングをしたりするときに向いている営業方法ですが、当然、直接相手と対面して営業をすれば必ず契約が取れるというわけではありません。

営業を成功させるにはコツがあり、それを押さえることで契約率を上げることができます。

そこで最後にフィールドセールスを成功させるコツを7つご紹介します。

礼儀正しく振る舞う

まず、営業の際は礼儀正しく振る舞うことを心がけましょう。

信頼してもらうためにはやはり良い印象を持ってもらうことが欠かせません。

ある程度関係ができてきたら冗談を言い合ったり、親しみを持って接したりすることもあると思いますが、最初の段階ではビジネスマンとして節度ある行動をしましょう。

訪問回数を増やす

営業をしても毎回成果に結びつくわけではありません。

むしろ契約には至らないことの方が多いものです。

その中で契約数を増やすには訪問数を増やすことが求められます。

当然、訪問数を増やせば増やすほど契約数は多くなります。

様々な企業に行って営業を経験すれば失敗した原因や上手くいった要因を掴めるようになってきて、だんだん営業の質が上がり、成約率を上げていくことも可能です。

慣れないうちはたくさん営業をこなすのは大変かもしれませんが、慣れないからこそ訪問数を増やすことを意識しましょう。

相手の様子をよく観察する

話をするときには相手の様子をよく観察しましょう。

成約率の高い営業マンは相手の反応をしっかり見ています。

顧客が話について来れていないように感じたら、「これまでの説明で質問はありますか?」と聞いたり、まだ商品に対して興味が湧いていないように感じたら、クロージングに入らずに説明を続けたりと相手の反応に合わせてトークを変えることで成約率が高い営業ができます。

営業の目標をはっきりさせる

営業に行くときには「認知してもらう」、「資料を受け取ってもらう」、「契約してもらう」といった目的を明確にしましょう。目的がはっきりすればその達成に向けて必要なアピールができるようになります。

また、訪問した際に最初にその目的を伝えることで相手に安心して話を聞いてもらえたり、話の理解が深まるといった効果があります。

会話ネタを用意しておく

営業では初めにアイスブレイクをするのが一般的です。

本題に入る前に世間話をすることでお互いの緊張をほぐす効果があります。

もしアイスブレイクで沈黙したり、話が盛り上がらなかったりすればその後のセールスも上手くいかない可能性が高くなってしまいます。

そこで営業に行く前にはあらかじめいくつか会話ネタを用意しておきましょう。

訪問先を事前にリサーチする

効率よく訪問営業をするにはあらかじめ訪問先のリストを作っておくのが効果的です。

手当たり次第訪問するのではなく、自社の商品やサービスを購入しそうなターゲットを選別することで購入の可能性が低い企業に時間を割くことを防げます。

リストを作ったら無駄なく回れるよう、住所を見ながら訪問する順番も決めましょう。

また、リストの企業について簡単にでもリサーチをしておけばセールスがしやすくなり、相手からの信頼も得られます。

初めての営業では売り込まない

初めて会社に訪問するときはいきなり売り込まないのがポイントです。

まだ信頼関係も築けていないうちから契約を迫ると警戒されてしまいます。

早く成果を出したい気持ちはあると思いますが、訪問を続ける中で相手と関係を築き、会話から抱えている問題を引き出すことによって後の成約率を上げることができます。

最初の訪問では会社や自分の顔を覚えてもらうことを目標にしましょう。

最後に 

企業の営業方法として定番のフィールドセールスは相手と信頼関係を築けたり、複雑な説明をしやすいといったメリットがあり、商談をするのに非常に向いています。

ただし、移動が必要なので1日当たりの営業数に限界があったり、コストがかかったりするデメリットもあります。

そこでインサイドセールスと連携するなど欠点を補うように対策をとりながら活用することが求められます。