インターネットが普及したことによって集客もオンラインで行う企業が増えています。

確かにオンライン集客は多くの人に認知されるチャンスがあり、広告宣伝費もあまりかからないというメリットがあります。

しかし、まだまだオフライン集客も効果は高く、上手く活用すれば会社の売上を上げることに繋がります。

さらにオンライン集客にはない強みがあるため、業種や求める成果によってはオンラインよりオフライン集客の方が向いているということもあります。

オフライン集客には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なるので、性質を知った上で活用することで成果を出すことができます。

中小企業が実践すべきオフライン集客の種類を10個取り上げ、それぞれメリット・デメリット、さらに活用するためのポイントをまとめていきます。

FAXDM

FAXDMとはその名の通り、FAXでダイレクトメールを送る集客方法です。

普通にFAXを送るときの要領で商品情報、企業情報、ニュースレターなどあらゆる内容を会社に居ながら簡単にターゲットに発信することができます。

FAXDMには会社にある業務用のFAX機から送信する、市販のFAXソフトを利用する、FAXDM業者に依頼するという主に3つの方法があります。

FAXDMのメリット

オフライン集客はコストが大きくなることが多いですが、FAXDMはFAXを送信するだけなので1通あたり数円程度のコストで済むというメリットがあります。

そのため、1度に大量に送信することも可能です。

また、メールでのDMに比べて相手の目に留まりやすいという強みもあります。

原稿は大体の場合A4用紙1枚程度なので、比較的簡単にDMの内容を作成できますし、FAXで送信するため仕上がればすぐに送ることができます。そのため、計画してから実行に移すまで短い時間でできることもFAXDMのメリットです。

FAXDMのデメリット

FAXDMの反響率は0.5%に満たないことが多く、たくさん送信しなければ反応が得られません。

また、原稿はA4一枚でさらに白黒なので1通あたりの情報量が少ないのもデメリットと言えます。

また、FAXを受信する際にインクと用紙が相手負担になってしまうため、FAXDMに対して良い印象を持たない企業もあることを覚えておかなくてはいけません。

FAXDMを活用する方法

FAXDMでは反響率が決して高くないので1000件以上などある程度のまとまった数のリストに対して営業をすることで反応が得られます。

また、1枚に詰められる情報量が少ないことから反響率を上げるためにはデザインを工夫したり、魅力的なキャッチコピーをつけたりすることが求められます。

FAXDMで興味を持った方のためにより詳しい情報が載っているホームページについても記載しておき、そちらに誘導すれば次に繋がります。

さらにFAXに配信停止のチェック欄をつけておき、配信を希望しない場合はチェックをつけて送信してもらうようなシステムを準備しておくことでクレームの発生を防ぐことができます。返送されてきたら忘れずにリストから削除しましょう。

ダイレクトメール(DM)

DMとはダイレクトメールのことで、自社サービスやセミナーなどの情報をターゲットに伝える際に使われる集客方法です。

DM集客ではハガキ、チラシ、パンフレットといった様々なタイプの郵便物が使われます。

昔から使われているオフラインの集客方法で、今でもなお多くの企業に利用されています。

DMのメリット

郵便物によるDMはメールでのDMに比べて精読率やレスポンス率が高いというメリットがあります。

また、デザインの自由度が高いため、視覚に訴えることができ、ターゲットの目に留まりやすくなります。

DMにクーポンをつけておけばそれを回収することによってどれくらいの効果があったかを確かめることができるなど、使い方によって次の施策に繋げることが可能になります。

DMのデメリット

郵便物を送るときにはまずチラシやパンフレットを準備するためのコストがかかり、さらに郵送料がかかります。そのため、多くの企業にDMを送ればその分コストは大きくなります。

準備と郵送に時間がかかることから計画してから効果が出るまでに時間がかかるのもデメリットです。

また、企業には日々多くの郵便物が届くため、せっかく送っても読まれずにすぐに捨てられてしまうこともあり得ます。

特に大きい規模の会社であればあるほど中身を読んでもらえる確率は少なくなるでしょう。

DMを活用する方法

DMは従業員の人数が少ない中小企業を中心に送ることで効果が出やすくなります。

読んでみようと思わせるためには紙や印刷の質を高くし、さらに目を引くようなデザインや文言を入れるのがポイントです。

メールDMやFAXDMに比べるとコストはかかりますが、その分小冊子など詳しい情報を載せたものを送れるので、しっかり見てもらいたい内容を送りましょう。

パンフレットや冊子

パンフレットは装丁されていない本のことで、小冊子とも呼ばれます。

1枚の紙を二つ折りや三つ折りにしたものはパンフレットともリーフレットとも呼ばれます。

パンフレットはDMで送ったり、会社や展示会に来た人に渡したり、資料請求をした人に送ったりと様々な場面で用いられます。

ある程度会社に対して興味を持っている人や同業他社との比較をしたいと思っている人が手に取ることが多いのが特徴です。

パンフレットのメリット

パンフレットは複数のページから成っていることが一般的なので、自社について詳しく伝えられるというメリットがあります。

また、長期的に手元に置いてもらえることが多いので、記憶に残りやすいという面もあります。

一度作ればあらゆる場所で活用できるのも魅力です。

パンフレットのデメリット

パンフレットは手にとってもらえてもまともに見てもらえないまま捨てられることもあります。

また、配布する数より多く作ってしまえば破棄しなければいけなくなるため、印刷するときには部数に気をつけなくてはいけません。

さらにページ数が多く、質にこだわるほどコストがかかるというデメリットもあります。

パンフレットにはサービスの内容や自社の情報など色々な内容を載せますが、もし書いている内容に変更があればその都度修正しなくてはいけないことも覚えておきましょう。

パンフレットを活用する方法

パンフレットは厚い紙を使うことで手にとってもらいやすくなります。

上質の紙にするほどコストはかかりますが、まずは手にとってもらうことが大切なので、出来るだけ質の良い紙を選びましょう。

パンフレットを見る人は他の会社と比較し、どこを利用しようか考える人が多いので、見る人のニーズを捉えた上で自社の魅力をしっかりアピールすることが大切です。

ただし、あまりにページ数が多いと読む気を無くしてしまうので、情報を整理して必要なものだけに絞り込みましょう。読みやすいようにグラフや写真を利用するのも効果的です。

イベント・展示会

イベントや展示会は多くの企業が利用している集客方法です。

イベントではテーマが決められており、それに合う企業が出展し、取引する企業を探す人が参加します。

多くの人が集まるのが特徴で、数百人規模のものもあれば数万という大きな規模で行われることもあります。

イベントでは商品やサービスの紹介はもちろん、実際に商品を体験する機会を設ける会社もあります。

イベント・展示会のメリット

展示会に参加すると多くの見込み客に自社の存在を知ってもらう機会ができます。直接話せば人脈を広げるきっかけにもなります。

事前にテーマが決まっているため、どんな層が来場するのかが分かり、それに合わせて効果的なアプローチを準備できます。

どのくらいパンフレットを配布できたか、どれくらいの人に説明できたかなど効果測定をしやすいのもメリットです。

イベント・展示会のデメリット

イベントに参加するときには出展料がかかり、さらに人件費や会場に置くパンフレットの準備など他にもあらゆるところでコストがかかります。

当日の展示だけでなく、事前の準備もしなければならないため、イベントのために人手が取られるのと多くの時間を割かなければいけないのは会社にとってデメリットです。

イベント・展示会を活用する方法

展示会で成果を出すには来場する人の特徴を事前に把握した上で、その人達にアプローチできる施策を用意することが大切です。

そのためにまずはイベントのテーマを把握しなくてはいけません。

また、過去に開催された同じイベントでの他社の展示テーマが分かれば、それを参考にして自社の内容を考えることでより魅力をアピールすることに繋がります。

イベントや展示会では自社が伝えたいことではなく、参加者が知りたいと思うことを伝えることによって相手の満足度を高めることができます。

イベントでは名刺交換を積極的に行い、連絡先を知れた相手にはぜひDMを送ったり、セミナーを案内したりしてリード獲得に繋げましょう。

テレアポ

リストに載っている電話番号に次々と電話をかけて営業をするテレアポは企業の集客方法としては定番です。

電話をかけてその場で商品やサービスを購入してもらうのではなく、テレアポをきっかけに営業のアポイントを取ったり、チラシやパンフレットを送ったりと次へのステップに繋げることを目的としています。

飛び込み営業をしたり、いきなりDMを送る場合に比べて、話を聞いてもらえたり、中身を見てもらえたりする可能性が高くなります。

テレアポのメリット

テレアポは電話をかけるだけなので一度に多くの相手に営業をしてもコストがそれほどかかりません。

また、話す時間が長くないのでスピーディーに進められるのもテレアポの強みです。

万が一断られても自社の商品やサービスを宣伝することはできるため、認知度を上げられます。

また、過去に自社を利用したことがある人に対してのテレアポは効果が出やすいというメリットがあります。

テレアポのデメリット

テレアポは相手の時間を奪うものなので、話に興味がなければまともに聞いてもらえなかったり、冷たくあしらわれたりすることがよくあります。

そのため、電話をかける担当者に精神的負担がのしかかるのはデメリットです。

また、話す時間が短いため、十分に話したいことを話せないという点も理解しておかなければいけません。

テレアポを活用する方法

テレアポは短い時間で成果を出すことが成功の鍵になります。

そこで話す順番を事前に決めておき、スムーズに営業を進めるようにしましょう。

話の切り出し方や本題に入るタイミングなど効果が出やすい方法を掴めれば効率的に営業が出来るようになります。

電話での説明では実際に商品を見たりすることができないため、いかに言葉だけで上手く伝えるかがポイントになります。

セミナー

セミナーは多くのBtoB企業が集客の方法として活用しています。

参加人数は数名〜数十名とイベントや展示会に比べると規模はそれほど大きくありません。

セミナーでは自社の説明や自社が持っているノウハウなどウェブサイトやパンフレットだけでは得られない情報を話すため、会社や提供している商品・サービスに興味がある人が集まります。

自社だけでの開催、他の企業との共催、企業を訪問する形での開催など様々な開催方法があります。

セミナーの参加費は無料の場合も有料の場合もあります。

セミナーのメリット

セミナーではあらかじめテーマを公開するため、どんな人が参加するのかを予測しやすいです。

また、ある程度会社に対して興味がある人が集まるため、セールスがしやすく、リードの獲得に繋がりやすいです。

その場で目に見える成果が出せなかったとしても参加者のリストやアンケート結果は後に集客に役立ちます。

直接参加者と接するため、信頼感を持ってもらいやすいのもセミナーのメリットの1つです。

参加者にとってセミナーへの参加は会社の担当者が直接営業に来るよりもハードルが低いため参加しやすいというメリットがあります。

セミナーのデメリット

セミナーを開催するためには会場を押さえたり、企画をしたりと手間がかかり、さらに会場代や設備代などのコストもかかります。

また、開催場所から遠い人や時間の都合が合わない人などセミナーに興味を持つ全ての人に参加してもらえないのもデメリットです。

セミナーを有意義なものにするためにはある程度の参加者を集める必要がありますが、会社によってはまずこのプロセスで苦労することも考えられます。

セミナーを活用する方法

セミナーを開くときは何度か訪問したり、連絡を取ったりとある程度関係が築けている企業に案内をして参加してもらえると営業の獲得など次に繋がりやすくなります。

また、セミナーでは参加者からの信頼を上げることが大切なので、満足してもらえるよう、飽きないような構成にしたり、実際に自社のサービスを利用した人に話をしてもらったりと、内容を工夫することが求められます。

メディア広告

テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどあらゆるメディアに広告を出すのは一度に大きく認知度を上げるのに有効な集客方法です。

今はネットが普及したことによってこうしたメディアの影響力は小さくなっていると言われますが、まだまだ利用する人口は多いため、十分な効果を狙えます。

広告を自ら出すこともあればメディアの方から取材を申し込まれて取り上げられるということもあり、後者の場合は集客のコストパフォーマンスは非常に高くなります。

メディア広告のメリット

まず、テレビCMの場合は老若男女問わず全世代が利用しているため、多くの層に対してアプローチできるというメリットがあります。

さらに視聴者数が多いため、会社や商品の認知度を一気に上げることができます。視覚と聴覚の両方で商品やサービスを知ることができるのもテレビならではのメリットです。

新聞は特に信頼性の高いメディアなので、広告を出すことで企業イメージの向上を狙えます。

また、新聞社によって読んでいる層が異なるため、ターゲットが読んでいる新聞に広告を掲載することでより高い効果を狙えます。

ラジオCMは地域密着型のため、特定の地域に訴求したいときにぴったりです。テレビや新聞に比べるとコストが低いのも魅力です。

メディア広告のデメリット

メディア広告は効果は大きいものの、その分コストがかかるのがデメリットです。

特にテレビCMは放映する時間帯や局にもよりますが、数十万〜数百万円かかるのが一般的です。

また、メディアによって見ている層が決まっているため、ターゲットがいないメディアに広告を出してしまうと思うような効果は得られません。

当然ですが、そのメディアを見ていない人には全くアプローチできないことも覚えておきましょう。

メディア広告を活用する方法

各メディアの特徴やユーザー層、さらに同じテレビや新聞でも会社別の利用者層を把握し、ターゲットが利用している媒体で広告を出すようにしましょう。

また、見たり聞いたりしている人に興味を持ってもらえるようにCMや広告の内容を工夫することが求められます。

メディア広告はコストがかかるので宣伝にかける費用をよく考えた上で計画的に利用しましょう。

看板

街の中には数え切れないほどの看板があります。

看板はただ設置されているだけのように見えて、実は店舗を構えるビジネスでは欠かせない立派な集客方法です。

お店の場所を分かりやすくするだけでなく、地域で認知を広げる狙いがあります。

大きな看板だけでなく、店舗の前に置く小さなスタンド看板も集客のためによく使われています。

看板のメリット

看板は不特定多数の人が目にするため、認知度を上げるのに役立ちます。

また、一度作ればずっと使えるため、集客のためにかける手間が省けるのがメリットです。

スタンド看板は準備に時間がかからず、さらにコストも少なくて済みます。

歩行者の目に留まりやすいのでたまたまそばを通りかかった人がお店に気づき、そのまま店舗に立ち寄ってもらえることもあります。

看板のデメリット

看板は見てもらえて初めて効果が出るものです。

そのため、せっかく設置したのに見えにくい位置にあれば気づいてもらえず集客は失敗してしまいます。

また、見える位置にあっても書いている内容から「行ってみたい」と思わせることができなければ集客にはつながりません。

一度設置すれば長期間使えるのはメリットですが、どうしても経年劣化してしまうので、いつかは替えなければいけないことは覚えておかなければいけません。

スタンド看板は軽いので風が強い日や台風の日などは飛ばないように注意が必要です。

看板を活用する方法

看板をつけるときにはまず多くの人の目に留まるように設置する角度にこだわりましょう。

お店の周りで人がどのように移動するのかを把握した上で、その人達の目に留まるように設置しましょう。

車で移動している人に見つけてもらうためには車で通り過ぎる一瞬でも理解出来るようにデザインすることが求められます。

看板を見るのは数秒なので、その時間で見ている人の心を動かせるように看板に載せる言葉やデザインを工夫するのも最大限活用するためのポイントです。

限られたスペースでお店のコンセプトがしっかり伝わるように仕上げましょう。

LED

お店の近くを通った人に認知してもらうためにはLEDを活用するという方法もあります。

LEDを使ったディスプレイに文字や映像を映し出すことで普通の看板よりも目立ちやすくなります。

これまでも光る看板として電飾看板が使われていましたが、LEDはより視認性が高いのが特徴です。

LEDのメリット

LEDの最大のメリットは目に留まりやすいことです。

普通の看板は夜になると見にくくなりますが、LED看板なら夜でもしっかり見ることができます。

建物の上の階に店舗がある場合でも通り過ぎる人にしっかりアピールできます。

LEDはこれまでの電飾に比べると安価でさらに長い時間使えるため、コストパフォーマンスが良いのも魅力です。

また、紫外線の出る量が蛍光灯に比べると少ないため、虫が寄って来にくく、衛生的にも良いというメリットがあります。

LEDのデメリット

蛍光灯に比べるとコストパフォーマンスが良いとはいえ、電気代がかかってしまうのはデメリットです。

また、導入のためには初期費用がかかり、さらにランニングコストもかかるので、様々なコストを全て踏まえた上で導入が可能か検討しなくてはいけません。

LEDを活用する方法

LEDは昼夜問わず目に入りやすいですが、そこからお客様の来店に繋げるためには普通の看板と同様、お店のコンセプトを伝えたり、心を動かすようなキャッチコピーを載せたりして工夫が必要しなければいけません。

かなりコストがかかる集客方法なので、効果がきちんと出るように試行錯誤を繰り返しながらベストなデザインを見つけましょう。

最後に

オフライン集客にはFAXDMやパンフレットなど様々な方法があります。

ネットが普及した今でもオフラインの集客はまだまだしっかり効果を出せます。

それぞれ特徴が異なり、メリットやデメリットも違うので、顧客の層や求める成果に合わせて上手く使い分けましょう。