コンサルタントは、魔法使いではない

世の中には、コンサルタントに頼めば、魔法のように、業績をなんとかしてくれる、という人たちがいます。

もちろん、この記事を読んで頂いている方の中には、そんな人はいないでしょう。では、なぜコンサルタントを呼ぶのでしょうか。

そもそも、自社でなんとかできる方法を考える時間とお金があれば、自社で取り組み、自社 で解決するはずです。

ですが、それが難しいような問題だからこそ、外部のコンサルタントを呼ぶ、という選択肢を選ぶと言えます。

では、呼べば解決するのでしょうか。

そんなわけはないですよね。外部から呼ぶわけですから、費用も時間もかかりますし、厳しいアドバイスももらうことでしょう。

でも、それを実行しないと、業績は良くなりません。多くの場合、原因は1つではないですから、我慢の時が続く可能性も充分に考えられます。

それでも、現在抱えている問題を解決して、社会に貢献する準備があるかどうか。 こういったところが、明暗の分かれるところでもあります。

なぜ、御社は、コンサルタントを必要としているのか。という、そもそもの問いから間違っている。

結論から言うと、御社はコンサルタントを必要とはしていません。

御社に詳しいのは、コンサルティングを受けようとしている社長や、社内にいる社員の方です。

そのため、本来であれば、外部の人間に何かを言われるまでもなく、自社の中で、問題を見い出し、解決していくことができるのです。

なので、御社に、自社のコンサルティングがいかに素晴らしいか、長々と語っているコンサ ルタントも必要ありません。

コンサルタント自身が、売りたいだけのコンサルティングで、御社を良くすることはできないからです。

自社に対する「疑いの眼差し」を持つことができるか

では、どのようにすれば、御社自身を良くしていくことができるのでしょうか。

それは、自社に対する「疑いのまなざし」を持つことです。

どんな会社でもそうなのですが、その会社が持つ独自のルールがあることがあります。

そして、これが業績を悪くしている諸悪の根源であることが、往々にしてあります。

けれども、会社独自のルールは、社内の人間にとっては、当たり前のこととして、考えられ ているので、それを疑うことをしません。

また、新しい社員や、新しく関わる取引先ができたとして、彼らが、そのルールに疑問を持ったとしても、それを指摘することはありません。

新しい社員は、入ったばかりと言うこともあり、指摘しにくいですし、新しい取引先に関しても、取引に影響の無い、その会社のルールであれば、関係が無いからです。

結局、古くから長く勤めている社員は気がつくことができないし、新しく入ってきた人間にとっては、指摘しにくいところなのです。

しかしながら、こういった誰もが目を向けていない部分に切り込むことができなければ、小さな問題だったことが、あっという間に重大な問題になってしまうのです。

全体から見て、本当にその部分を改善することが適切なのか

こう記してくると、じゃあ、そこを直せばすべて解決だと勘違いをする方がいらっしゃいます。

でも、ここまでお読み頂いた方は、もうお気づきになったのではないかと思います。

それは、業績が安定しないことや、業績が悪化している場合、原因がそこだけにあるとは限 らないからです。

一般的に、1つの結果に対し、1つの原因しかなく、2つがセットになっているように考えら れがちです。

因果応報という言葉もありますが、これも1つの結果に対し、1つの原因があると書かれているわけではありません。

話を元に戻すと、ある結果を特定の原因に決め込んで、その解決だけに視点を持っていかれる必要はないということです。

むしろ、視野を広げて、本当に全体にとって、その部分の改善が役に立つのか。という視点を持っておきたいところです。