この記事では次の内容をまとめています。

・クロスメディアマーケティングとは?
・クロスメディアマーケティングの効果
・クロスメディアマーケティングの事例

クロスメディアを使ったマーケティングをしようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。

目次
  1. クロスメディアマーケティングとは?
  2. クロスメディアとメディアミックスの違い
  3. クロスメディアマーケティングの効果5つ
    1. 見込み度の高い顧客が集まる
    2. 幅広い年齢層の顧客が集まる
    3. 顧客がどんどん教育される
    4. ブランドイメージが定着する
    5. 接触回数が増えることで好感度が上がる
  4. クロスメディアマーケティングで使われるメディアの種類
    1. マスメディア
    2. インターネットメディア
    3. アナログメディア
  5. クロスメディアマーケティングのメリット3つ
    1. メディアが多様化する時代に合う
    2. 各メディアの弱点を補い合える
    3. 各メディアでの消費者の行動パターンが分かる
  6. クロスメディアマーケティングのデメリット2つ
    1. 広告コストが増す
    2. 数値での効果測定が難しい
  7. クロスメディアマーケティングの事例3つ
    1. 車内広告×WEBサイト
    2. SNS×メルマガ
    3. SNS広告×WEBサイト
  8. クロスメディアマーケティングの効果を高める方法7つ
    1. 目標を設定
    2. 商品・サービスのターゲット層に合ったメディアを選ぶ
    3. 各メディアを使用する目的を明確にする
    4. 質の高いコンテンツを準備する
    5. 訴求内容を一貫させる
    6. 次のメディアへスムーズに誘導する
    7. 結果をもとに改善する
  9. クロスメディアマーケティングの分析で失敗しない方法2つ
    1. 数値を分析できる仕組みを先に構築しておく
    2. メディアごとにKPIを設定する
  10. まとめ

クロスメディアマーケティングとは?

様々なメディアを連動させて行う広告戦略です。

テレビCMの最後に「続きはWEBで!」とネットに誘導するものがありますが、これがまさにクロスメディアマーケティングです。

アナログメディア、ネットメディア、デジタルメディアと様々なメディアを組み合わせて広告を展開すると各メディアの弱点を補い合えるため、相乗効果が狙えます。

クロスメディアとメディアミックスの違い

クロスメディアと同じような広告戦略にメディアミックスがあります。

メディアミックスも複数のメディアを使って広告を展開しますが、同時進行で並行してメディアを使うのが特徴です。

例えば、テレビCMを流しつつ、WEB広告も打つことで、テレビを見る層とネットで情報収集する層の両方にアプローチします。

一方で、クロスメディアの場合、

  • テレビCMを見て興味を持った層を自社の公式サイトに誘導する
  • SNSのフォロワーにメルマガ登録を促す

というように、次のメディアへ促す導線を設計します。

クロスメディアマーケティングの効果5つ

この章ではクロスメディアマーケティングをすることで得られる効果をご紹介します。

1.見込み度の高い顧客が集まる
2.幅広い年齢層の顧客が集まる
3.顧客がどんどん教育される
4.ブランドイメージが定着する
5.接触回数が増えることで好感度が上がる

見込み度の高い顧客が集まる

クロスメディアでは段階的に次のステップへ誘導しますが、このとき移動するのは自社や商品・サービスに対して関心を持っている人のみです。

つまり、興味のある人とない人を自然にふるい分けています。

最終的には検討度が高く、質の良いリードが集まり、商談の成功率は高くなります。

幅広い年齢層の顧客が集まる

1つのメディアだけで広告を展開するよりも幅広い年齢層に届けられます。

メディアによってメインのユーザーの年齢層は異なります。

例えば、SNSは比較的若い世代、新聞なら経営層の年代が多い傾向にあります。

このようにユーザー層が異なる媒体を上手く掛け合わせれば、決裁者から情報収集を行う若手の担当者まで情報を届けられます。

顧客がどんどん教育される

クロスメディアマーケティングでは見込み客は次のステップに移動するごとに自然と教育されていきます。

例えば、YouTube広告→ウェビナー→個別相談というクロスメディアを行う場合

  1. YouTube広告で自社製品の認知を広げる
  2. ウェビナーで他社事例を説明する
  3. 個別相談で企業の課題を明らかにする

このような流れにすると、自然に商品・サービスへのニーズが高まり、商談で話す内容もスムーズに理解してもらえます。

ブランドイメージが定着する

複数のメディアで一貫性のあるメッセージやデザインを発信し続けることで、企業の世界観やブランド価値が自然と顧客に浸透します。

1つのメディアだけでは与えられる情報に限りがあり、メッセージもすぐに忘れられてしまいますが、クロスメディアではこの問題が解決され「この企業はこういう課題を解決してくれるところだ」と印象を残すことができます。

接触回数が増えることで好感度が上がる

人は接触回数が増えれば増えるほど、その相手に好感を持ちやすくなる傾向があります。

これは「ザイオンス効果」と呼ばれるもので、マーケティングではよく使われます。

クロスメディアマーケティングを通して複数のチャネルでターゲットと接触することで、相手は自然と企業に対して好感を抱くでしょう。

BtoBの場合、契約や購入の際に企業に対する信頼性が重視されるため、特に大事なポイントです。

クロスメディアマーケティングで使われるメディアの種類

この章ではクロスメディアマーケティングで使用されるメディアの種類をご紹介します。

マスメディア

媒体

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌

メリット

  • 視聴者が多い
  • 信頼性が高い
  • 影響力がある

デメリット

  • コストが高い
  • 広告を流す時間が限られている

インターネットメディア

媒体

WEB広告、SNS、SNS広告、自社サイト、ブログ、メルマガ

メリット

  • マスメディアと比べて広告費が安い
  • 伝えられる情報量が多い
  • 広告データを収集しやすい

デメリット

  • 地域を限定する場合にはあまり向かない
  • 検索されなければ表示されない

アナログメディア

媒体

DM、チラシ、屋外広告、パンフレット

メリット

  • 手元に残るので何度も閲覧される
  • 写真や文章を通して商品・サービスを具体的にイメージできる
  • 地域性のあるビジネスに向いている

デメリット

  • 短期間でたくさん送ると悪い印象を持たれる
  • 見られずに捨てられることも

クロスメディアマーケティングのメリット3つ

この章ではクロスメディアのメリットをご紹介します。

1.メディアが多様化する時代に合う
2.各メディアの弱点を補い合える
3.各メディアでの消費者の行動パターンが分かる

メディアが多様化する時代に合う

ひと昔前までは企業がターゲットにアプローチする方法は限られていましたが、近年はインターネットの普及もあり、数が増えています。

こうした状況の中、1つのメディアに絞って広告を展開すると、リーチできる層は限られてしまいます。

クロスメディアでは種類が違う複数のメディアを使うので、より多くの人にリーチすることができ、チャネルが多様化している時代に合った広告戦略と言えます。

各メディアの弱点を補い合える

複数のメディアを組み合わせることで、お互いの弱点を補完できるのもメリットです。

例えば、テレビからWEBへ誘導するクロスメディアでは、テレビの「時間も伝えられる情報の量も限られている」という弱点をWEBメディアが補います。

一方で、テレビはWEBよりも多くの人に情報を届けることでWEBの弱点をカバーします。

クロスメディアを成功させるには各メディアの特徴を理解し、上手く組み合わせることが不可欠です。

各メディアでの消費者の行動パターンが分かる

クロスメディアでは様々な種類の媒体を使うことで、各媒体における見込み客の行動を知ることができます。

例えば、企業サイトでは

  • どのページが見られたか
  • ページごとの滞在時間
  • 離脱のタイミング

といった情報から顧客のニーズを知ることができます。

アナログメディアの場合でも、複数パターンのDMを送り、それぞれの反応率を比べることで消費者に刺さるDMの作り方が見えてきます。

こうしたデータは広告戦略の参考になります。

クロスメディアマーケティングのデメリット2つ

この章ではクロスメディアのデメリットをご紹介します。

1.広告コストが増す
2.数値での効果測定が難しい

広告コストが増す

1つのメディアだけで広告を展開する場合に比べて、クロスメディアは広告コストが高くなります。

使用するメディアが増えれば増えるほど単純な広告配信コストも増えるのはもちろんのこと

  • クリエイティブ制作費
  • コンサルティング料

など、広告に付随する費用もかかります。

また、管理・運用の工数が増えて、人的コストが増加することも。

そのため、クロスメディアマーケティングを行うなら、費用について事前によく検討する必要があります。

数値での効果測定が難しい

「どのメディアが最も成果に貢献したのか」を正確に判断するのが難しいという課題があります。

例えば、SNSで興味を持った人がネット検索をして自社サイトの記事を読み、その後に資料請求をした場合、どの接点が特に効果的だったのかを知るのは難しいです。

クロスメディアでは媒体間の相乗効果が発生するため、単純な数値では測れない指標も多く、分析の結果、誤った判断をして効果のあるチャネルを削ってしまうリスクがあります。

また、BtoBの場合は検討期間が長く、各メディアの影響が積み重なるため、どの情報が意思決定に影響したかが見えにくいです。

クロスメディアマーケティングの事例3つ

この章ではクロスメディアマーケティングの具体的な事例をご紹介します。

車内広告×WEBサイト

電車の車内広告で商品やサービスの魅力を短く訴求し、検索やQRコードを通じて公式サイトへ誘導します。

車内広告は幅広い年齢層に接触できるため、潜在層への認知拡大に効果的です。

また、ビジネスマンの目に留まりやすいのもメリットです。

一方、WEBサイトでは車内広告の枠では伝えきれなかった

  • 商品・サービスに関する情報
  • 導入事例
  • 料金

などを提供し、さらに見込み客の理解を深めます。

オフライン広告による認知拡大とオンラインでの深い情報提供を組み合わせることで、購買意欲を効率的に高めます。

SNS×メルマガ

公式SNSのフォロワーにメルマガ登録を促すという導線です。

SNSは認知を広げるのに適しているため、まずは日々の投稿を通して多くの人にリーチします。

ただし、SNSのフォロワーは全員が自社に対し深い関心を持っているとは限らないため、ここからメルマガに流すことで、より濃い見込み客を集めます。

メルマガではSNS投稿よりも深い情報を届けたり、登録者限定コンテンツを配ったりすることで、見込み客をさらに教育します。

SNS広告×WEBサイト

SNS広告でターゲットに合わせたクリエイティブを配信し、興味を持った人をLP(ランディングページ)や商品ページに誘導します。

WEBサイトでは、広告だけでは伝えきれない情報、導入事例、FAQなどを提供し、顧客の疑問を解消して成約へ繋げます。

広告の即効性とサイトの情報伝達力を組み合わせることで成果が最大化されます。

クロスメディアマーケティングの効果を高める方法7つ

この章ではクロスメディアの広告効果を高める方法をご紹介します。

1.目標を設定
2.商品・サービスのターゲット層に合ったメディアを選ぶ
3.各メディアを使用する目的を明確にする
4.質の高いコンテンツを準備する
5.訴求内容を一貫させる
6.次のメディアへスムーズに誘導する
7.結果をもとに改善する

目標を設定

広告効果を高めるには目標の設定が不可欠です。

  • 資料請求
  • 問い合わせ
  • 商談

など、目標は様々でしょう。

最終的な目標を意識することで適切なクロスメディアの導線を設計することに繋がります。

商品・サービスのターゲット層に合ったメディアを選ぶ

集めたいターゲット像についても明確にし、その層に合ったメディアを選定しましょう。

若い世代にアプローチしたいなら、インターネットメディアを中心に導線を作ると良いでしょう。

一方で、決裁者の世代をターゲットにする場合、まずはDMを送ったり、業界誌に広告を出したりといったやり方があります。

ターゲットが使用するメディアを使うことで、クロスメディアの効果が高まります。

各メディアを使用する目的を明確にする

導線が決まったら、その中のメディアがそれぞれどのような役割を持つのか書き出してみましょう。

以下のようなイメージです。

  • SNS→認知拡大
  • メルマガ→教育・比較検討
  • LP→疑問解決・成約

このように、各メディアを使用する目的を改めて把握することで

  • 役割が重複していないか
  • 必要な工程が抜け落ちていないか

を確認することができます。

質の高いコンテンツを準備する

合理的な導線が設計できても、提供するコンテンツの質が低ければ次のステップに進もうとは思ってもらえません。

そこで、それぞれのチャネルで質の高いコンテンツを用意しましょう。

メディアによって提供する情報の内容や量は異なりますが、どのチャネルであっても

  • 訴求力を持たせる
  • 見込み客が求める情報を提供する
  • 図や写真を用いて分かりやすくする

こうした工夫を入れるのがポイントです。

訴求内容を一貫させる

クロスメディアマーケティングではどの媒体でも一貫して同じメッセージを伝えることが大切です。

なぜなら、最初のメディアでメッセージに惹かれて次のメディアに移動したものの、2つ目のメディアで訴求ポイントが違えば、顧客は混乱し、離脱の原因になるからです。

一貫して同じ内容で訴求することでブランドのイメージが定着し、インパクトに残るので、メッセージがブレないように注意しましょう。

次のメディアへスムーズに誘導する

クロスメディアマーケティングを成功させるには見込み客に次のステップに移動してもらうことが不可欠。

そこで、次にとってほしい行動を明確に伝えましょう。

例えば、広告の最後に

  • QRコードを貼り付けて読み取りを促す
  • 目立つデザインのリンクボタンを置く
  • 問い合わせフォームを設置する

このような仕掛けをすることで、次のメディアへと自然に促すことができます。

結果をもとに改善する

一定期間、広告を配信した後、

  • どのメディアが一番反応が良かったか
  • どのタイミングで離脱が多かったか

など、結果を細かく分析しましょう。

その結果をもとに改善を重ねることで、クロスメディアマーケティングの成果は伸びていきます。

クロスメディアマーケティングの分析で失敗しない方法2つ

この章ではクロスメディアで分析をする際に失敗しないためにすべきことをご紹介します。

1.数値を分析できる仕組みを先に構築しておく
2.メディアごとにKPIを設定する

数値を分析できる仕組みを先に構築しておく

クロスメディアマーケティングでは複数の媒体を組み合わせるため「どの媒体がどの成果につながったのか」を正確に知ることは難しいですが、収集できるデータも多くあります。

そこで、施策を始める前にデータを取得できる仕組みを整えておきましょう。

具体的には、

  • 公式サイトとサイト分析ツールを連携
  • 各媒体ごとに専用のURLを発行し、流入経路を追えるようにする

などの方法が挙げられます。

これらを準備しておくことで、媒体ごとの反応率・貢献度を追えるようになり、施策のどこを改善すべきかが明確になります。

また、データを集める方法として、獲得したリードに「どこで弊社を知りましたか?」といったアンケートをとるのもおすすめです。

メディアごとにKPIを設定する

事前に評価指標を定めれば

  • 計画通り機能しているか
  • どの部分に改善が必要か
  • 自社と相性が良いメディアはどれか

といったことをすぐに判断できます。

そこで、KPIを設定しましょう。

SNSなら「エンゲージメント率」、メルマガであれば「クリック率」、Webサイトであれば「CV率」など、メディアの役割に合わせて設定しましょう。

まとめ

クロスメディアマーケティングとは複数のメディアを連動させて行う広告戦略で、先のステップに行けば行くほど自然と教育されるため、見込み度の高いリードに育てることができます。

ただし、効果的な導線を築くには、各メディアの特徴を理解し、最終目標を達成するために必要なメディアを組み合わせることが欠かせません。

広告を配信した後は必ず効果測定を行い、数値を分析して改善点がないか確認しましょう。