「あのお店良かったよ」、「この商品美味しかったよ」と誰かから感想を聞いたとき、行ってみようかな、食べてみようかなと自分も試したくなったことや実際に試してみたことがあるという人は多いと思います。

家族や知人から勧められることは、CMを見たり、パッケージを読んだりすることよりも信頼性が高く、購買意欲が高まるものです。こうした口コミや紹介はBtoCだけでなく、BtoBビジネスでも活用できます。

BtoB企業が提供する商品は値段が高いこともあり、じっくり検討してから契約するか決めたいと思う人が多いです。

それでも信頼の置ける人から紹介されると通常よりも購入へのハードルがぐっと下がり、比較的早く契約に至ります。

口コミや紹介を増やすなら商品・サービスの内容を充実させて顧客満足度を上げれば良いと考える人は少なくありません。

もちろん、それも正しいですが、数を増やすためには戦略的に口コミや紹介を生む仕組みを作らなくてはいけません。

そこで今回はBtoB企業が口コミや紹介を増やす方法について具体的にご紹介していきます。もっと顧客を増やしたい、集客にかける労力を減らしたいという方はぜひ参考にしてくださいね。

BtoB企業が口コミや紹介を増やすメリット5つ

集客方法には色々なものがあり、口コミや紹介がなくてもお客様を集めることはもちろん可能です。しかし、口コミや紹介が生じることで得られるメリットがいくつもあります。

そこでまずはBtoB企業が口コミや紹介を利用して集客をするメリットをまとめました。

早い段階で信頼を獲得できる

新しく獲得したリードに商品やサービスを契約してもらうためにはアプローチを続ける中で信頼関係を構築し、商品への興味が高まったところでクロージングに入らなくてはいけません。高単価であればあるほど信頼性の重要度は高まります。

一方で知り合いから紹介されたり、「あの商品良かったよ」と勧められた場合、実際に使った人からの率直な感想を聞いたことで、最初からある程度企業や商品に対する信頼性がある状態でリードになります。

そのため、口コミや紹介によって生まれたリードは早いうちから信頼を獲得し、契約にも結びつきやすいというメリットがあります。

特に今はリモートで商談をすることが増え、実際に会う機会が減り、信頼関係を築くことが難しくなっているので、これは企業にとっては非常に大きな魅力ですね。

リードを獲得する手間が省ける

新しいリードを獲得するにはネットに広告を出したり、テレアポでターゲット企業に1つ1つアプローチしたりと、かなりの手間がかかります。

一方で既存顧客が誰かに紹介をしたり、口コミをしたりして、その人が興味を持った場合、その工程だけで新しいリードが生まれます。

このように一般的なリードに比べて獲得までの手間がかなり短くなるのが特徴です。

集客コストが下がる

これまで説明してきたように口コミや紹介によって獲得したリードはこちらから特に働きかけなくても商品に興味を持ち、さらに比較的早い段階で契約に至ります。

つまり、認知から購入までの時間が短いので、集客コストが下がるというメリットがあります。

集客に割く時間もコストも減らせるからこそ、企業は口コミや紹介を増やす仕組みを作っておくべきと言えます。

ペルソナに近い顧客を獲得できる

ペルソナとは自社の商品やサービスの理想の顧客像のことです。ペルソナに近い人に商品を購入してもらえれば、商品に満足し、リピーターになってもらえる可能性が高いです。

誰かにその良さを伝えるほど商品に満足した既存顧客はペルソナに近い存在と言えます。その既存顧客が紹介する顧客もまたペルソナに似た特徴を持っているはずです。

このように自社が提供する商品に合った顧客を集められるのが口コミや紹介による集客の魅力です。

売上が安定する

口コミや紹介を生む仕組みが整えば、紹介による顧客が増えていきます。契約率は上がり、顧客の数が増え、さらにはサービスをリピートする顧客の数も増えるでしょう。売上が上がるという嬉しい変化が生まれます。

このように口コミや紹介は企業にとってはメリットばかりなのです。

BtoB企業が口コミや紹介を増やすために必要なこと5つ 

口コミされたり、誰かに紹介してもらえる企業になるためには具体的な対策を実行していく前に、まずは最低限の準備をしておくことが必要です。基盤がしっかりできていれば戦略も成功しやすくなります。

次にBtoB企業が口コミや紹介を増やすために必要なことをご紹介していきます。

顧客満足度を上げる

自社の商品やサービスを誰かに教えたいと思ってもらうためには顧客満足度を上げることが不可欠です。商品に不満があれば当然知人に勧めようとは思わないからです。

そこでまずは商品の満足度の調査をしたり、ユーザーに不便に感じる点がないかを聞いたりして現在の問題点を浮き彫りにしましょう。それを改善していくことで満足度の高い商品になっていきます。

顧客分析をする

顧客が満足する商品を作るためにはどんな顧客が利用しているのかを知ることも大切です。なぜなら顧客の特性によって満足するポイントは異なるからです。

そこで顧客の属性や商品への感想などを聞くアンケートを実施し、掘り下げたい意見があればその顧客に対してインタビューをし、顧客への理解を深めましょう。

顧客分析は非常に手間がかかる作業です。しかし、ここまでするメリットがあります。まず、顧客について調査すると良い商品にブラッシュアップするためのヒントが見えてきます。

また、どの企業もなかなかやりたがらないことだからこそやる価値は高く、将来的に売上などの結果に繋がるのはもちろんのこと、ユーザーに「顧客満足のために力を入れている会社だ」という印象を持ってもらえます。

能動的にアプローチする

口コミや紹介を増やすためには、積極的にアクションを起こす必要があることを覚えておかなくてはいけません。

顧客満足度が高くなれば自然に口コミは発生すると思いたいところですが、やはり「〇〇で困っている人がいたら紹介してほしい」と具体的にどう行動して欲しいのかを伝えなければ、人は思うように行動してくれないものです。

ただし、誰でも他の会社の業績を上げるために手を貸そうとは思わず、売り込みもしたくないと思っているため、紹介したいと思わせるような工夫が必要です。

アプローチ方法を決めておく

口コミや紹介を生むためには事前に決まったアプローチ方法を用意しておくことも欠かせません。紹介をお願いするのにそれぞれの社員のやり方に任せていたらいつまで経っても結果は出ないでしょう。

結果を出したいなら効果的なアプローチ方法を用意しておき、それを社内で共有しましょう。そうすれば効率的に紹介や口コミによるリードを獲得できます。

顧客の満足度が高まったタイミングでアプローチする

アプローチはどの段階でしても良いわけではありません。口コミや紹介をお願いする適切なタイミングというものがあります。

それは顧客が商品やサービスに対して満足したときです。
変化を実感し、商品やサービスを利用して良かったと感じ、満足度も高まっているタイミングで口コミや紹介の獲得のためのアプローチをすると、実際に行動してもらえる確率が高くなります。

BtoB企業が口コミや紹介を増やす具体的な方法7つ 

商品やサービスのクオリティを上げる、顧客分析をするといった最低限の準備ができたら、いよいよ口コミや紹介を増やすために戦略的に動いていくときです。

最後に口コミや紹介を増やす具体的な方法を7つご紹介してきます。

紹介したときのメリットを提示する

誰かに自分が意図するように行動してもらいたいときには、その行動をするメリットを提示するのが効果的です。何か自分にとって良いことがあると分かれば「じゃあやろう」と思うものです。

そこで、口コミや紹介をした人へ割引、キャッシュバック、ギフトカードや紹介料のプレゼントといった特典を用意しましょう。

紹介すればこうしたメリットがあることが分かっていれば、かつての自分と同じような悩みを抱えている知人がいたときに紹介してもらえます。

紹介用に自社のパンフレットや名刺を渡す

紹介用に自社のパンフレットや担当者の名刺を渡しておくのも効果が期待できます。

自分が利用している商品や企業のことを説明するのは意外と難しく、時間がかかるもの。そのため、紹介しようと思っても「今度でいいか」と遠回しにされてしまうこともあり得ます。

一方でパンフレットや担当者の名刺を持っていれば、それを渡して「ここに詳しいことが載ってるから」、「この人に聞いたら教えてもらえるよ」と一言伝えるだけなのでスムーズに紹介できます。

パンフレットや名刺を持っていることで常に自社のことを思い出してもらえて、いざというときに「紹介しよう」という意識が働くという利点もあります。

商品購入後もコミュニケーションを続ける

集客ではリードを獲得し、契約してもらうまでのプロセスを重視しがちですが、口コミや紹介を生じさせるためには購入後のコミュニケーションにも力を入れるべきです。

なぜなら先ほど紹介したように、口コミのためにアプローチする適切なタイミングは顧客が商品に対して満足したときだからです。

契約後も定期的に連絡を取り、必要に応じてアフターフォローも行い、顧客が商品やサービスを通して効果を実感できたタイミングが来たらアプローチをしましょう。

紹介してもらうように直接お願いする

口コミや紹介してもらうためには「誰か良い方がいれば紹介してください」、「良かったら口コミを書いていただけませんか?」と直接お願いするのが、シンプルですが効果的です。

自然に誰かが知人に勧めるのを待っていても何も起こりませんが、お願いすればやってくれる人が多いものです。

ただし、この方法で快く受け入れてもらうためには質の高い商品やサービスを用意するのはもちろん、紹介するメリットを提示したりすることが必要です。

ポジションがはっきりした商品を作る

自社のことを勧めてもらうためには、ポジションがはっきりしたサービスを用意しておく必要があります。

「〇〇といえばこの会社」、「△△に悩んでいるならこの商品」というようにすぐに連想できるほどポジションがはっきりしていれば、それを必要としている人に遭遇したときに紹介してもらいやすくなります。

そこで自社や商品はどんな人に向けたものか、どんな悩みを解決するのか、どんな言葉で紹介されるようにしたいのかということを一度考えましょう。

もし、ポジションがはっきりしていないと感じたら商品を改善した方が良いかもしれません。

共感されるビジョンやコンセプトを設定する

商品や会社のビジョンやコンセプトは誰かに勧める動機になりやすいものです。

どんな人の役に立ちたくて商品を提供しているのか、商品を通してどんな世の中にしていきたいのかといったビジョンやコンセプトは人を感動させ、「自分もそのビジョンを達成する力になりたい」と紹介や口コミが生まれるきっかけになります。

もし、決まったビジョンやコンセプトがないなら人の心を動かせるようなビジョンを設定し、それを色々な人に伝え、共感してくれる人を増やしましょう。

役に立つ情報発信を続ける

オウンドメディアで記事を配信したり、セミナーで勉強会を開いたりと定期的に情報発信をすることは、一見口コミや紹介にはつながらないように思えます。

しかし、口コミや紹介は誰かに勧める行為だからこそ、自信を持って勧められるような企業であることをアピールしておくことが大事です。

つまり、このように地道にリードにとって役に立つ情報を発信し続けることは会社の信頼性を高め、間接的に口コミや紹介に繋がります。

まとめ 

BtoB企業の集客方法には色々なものがありますが、口コミや紹介は最初から企業や商品に対して信頼を持ったリードが集められ、契約に至るまでの時間も短くなることから、企業にとっては非常にメリットのある集客方法です。

企業の口コミや紹介を増やすためには、まずは商品やサービスの顧客満足度を満足度を高めておくことが大事です。

その上で紹介特典を用意したり、紹介用のパンフレットや名刺を渡したりと既存顧客に能動的にアプローチをしていくことで成果が出始めます。