この記事では次の内容をまとめています。
・メディアミックスとは?
・メディアミックスの媒体の種類
・メディアミックスのメリットとデメリット
リード獲得のためにメディアミックスを取り入れようと考えているBtoB企業が知っておくべきことを全てまとめました。
BtoB企業のマーケティングに使えるメディアミックスとは?
複数のメディアを使って同時進行でターゲットにアプローチし、認知の拡大や購買意欲の促進を目指すものです。
例えば、テレビCMを流し、多くのターゲット層へ認知を広げるのに加えて、WEB広告を出せば、テレビを見ない比較的若い層にもアプローチできます。
BtoB企業のマーケティングに用いられる媒体にはそれぞれメリットもあればデメリットもあります。
メディアミックスにより複数のメディアを並行して使うことで、お互いのデメリットを補完し、広告効果を高めることができます。
メディアミックスで用いられる媒体の種類
この章ではメディアミックスで用いられる主な媒体の種類をご紹介します。
マスメディア
- テレビ
- 新聞
- 雑誌
- ラジオ
一度に多くの人にリーチできることや、信頼性が高いのがメリットです。
元々、宣伝に使われるメディアはマスメディアが中心でした。
しかし、近年は企業が顧客と接点を持つメディアが多様化してきたため、広告費をかける割合は下がってきています。
インターネットメディア
- WEBサイト
- SNS
- 動画配信サービス
- WEB広告
- ブログ
今や企業が認知を広げるのにネットは欠かせないツールになっています。
サイトやSNSは「気になっている人が自発的に見に来る」という性質を持つため、企業やサービスが気になっている人に、さらに興味を持ってもらうことができます。
また、ネット広告はターゲティングを細かく設定でき、効果が計測しやすいのがメリットです。
イベント
- 展示会
- セミナー
顧客と直接関わることで、信頼性を高めやすくなります。
その他
- 屋外広告
- 紙のDM
- チラシ
- 交通広告
特定の地域のターゲットに対してアプローチしやすい性質を持ちます。
BtoB企業がメディアミックスをマーケティングに取り入れるメリット3つ
この章ではBtoB企業がメディアミックスを行うメリットをご紹介します。
①幅広い層にリーチできる
②接触回数が増える
③メディア同士が弱点を補い合う
幅広い層にリーチできる
複数のメディアを組み合わせることで、より広い層にアプローチできます。
新聞は中高年、SNSは若い世代というように、媒体を利用する主なユーザー層はそれぞれ異なるためです。
1つのメディアだけで広告を出していると、そのメディアを利用しない層にはいつまで経ってもリーチできません。
メディアミックスはより多くの人にリーチし、見込み客を逃さないというメリットがあります。
接触回数が増える
複数のメディアにて広告を展開することで、見込み客と企業の接触回数が増えます。
例えば、次のように消費者は同じ企業に何度も出会います。
- テレビで見た企業の広告がSNSで流れてくる
- 業界情報誌で見た企業を展示会で見かける
接触回数が増えると、単純に企業を覚えやすくなるというメリットがあります。
また、企業に対する関心が高くなり、SNSをフォローしたり、資料請求をしたりと行動に移しやすくなる効果も狙えます。
メディア同士が弱点を補い合う
メディアミックスの大きな利点が、メディアがお互いのデメリットを補完し合うこと。
例えば、ラジオCMは特定の地域のターゲットにアプローチしやすいメリットがありますが、一方で画像や動画を用いながら詳しく自社の魅力をアピールするのは難しいです。
そこで、ラジをCMを流しつつ、自社サイトにも力を入れて、商品の画像を豊富に載せたり、文章で企業やサービスの魅力を語れば、また違った方向から見込み客にアプローチできます。
BtoB企業がメディアミックスをマーケティングに取り入れるデメリット3つ
この章ではBtoB企業がメディアミックスを行うデメリットをご紹介します。
①必要なコストが増える
②各メディアの担当者が必要になる
③メディアごとの効果測定が難しい
必要なコストが増える
広告を出すメディアの数が増えると、当然、広告コストは高くなります。
広告を出す回数が少なすぎると効果が出にくくなってしまうため、広告を出すならある程度の予算を用意することが大切です。
それだけにメディアミックスでは必要なコストが嵩むのがデメリットです。
各メディアの担当者が必要になる
使用するメディアごとに専門知識を持った担当者が必要です。
なぜなら、メディアによって特徴が異なり、広告効果を高めるためのやり方も異なるからです。
社内で対応しきれない場合は外部委託する方法もあります。
ただし、その分、コストは増加します。
ブランドメッセージや訴求内容がブレないよう、関係者間で連携・統一しましょう。
メディアごとの効果測定が難しい
メディアミックスでは複数のメディアが同時に施策を展開するため、どのメディアが成果に貢献したのかを明確にするのが難しいです。
特にBtoB領域では、見込み客の検討期間が長く、成果がすぐに現れないことも多いため、「どのメディアによって認知されたか」「商談に繋がったのはどの接点か」が分かりにくいです。
その中でも出来るだけ効果測定を行うには、ツールの導入やトラッキングの仕組みづくりを行いましょう。
これにもリソースや知識が求められます。
BtoB企業がメディアミックスを成功させる方法5つ
この章ではBtoB企業がメディアミックスを取り入れてマーケティングを成功させるために必要なことをご紹介します。
①各メディアのメリット・デメリットを正しく理解する
②目標数値を設定する
③予算を適切に配分する
④効果が高くなるメディアを選定する
⑤メディアに合ったコンテンツを用意する
各メディアのメリット・デメリットを正しく理解する
先ほども少し触れましたが、BtoB企業がマーケティングで用いるメディアはそれぞれ得意分野が異なります。
メディアミックスを成功させるためには各メディアがデメリットを補い合い、広告効果を効率的に高めることが重要です。
そのため、メディアミックスを行う前に、各メディアのメリット・デメリットを正しく理解しましょう。
目標数値を設定する
メディアミックスを通して目指すゴールを明確に設定しましょう。
なぜなら、目標によって選ぶべきメディアは変わるからです。
例えば、認知拡大が主なゴールなら、一気に多くの層にリーチできるマスメディアは欠かせません。
一方で、リードの情報を獲得したいなら、WEB広告や展示会などのメディアが向いています。
マーケティングの関係者全員で、目指すゴールを具体的に決めて、共有しましょう。
予算を適切に配分する
メディアミックスで成果を出すには予算の配分も重要なポイントです。
各メディアの特性と費用対効果を見極めながら投資しましょう。
例えば、SNSやブログなどコストを抑えられるチャネルは認知拡大に活用しつつ、広告や展示会など、反響が高い媒体には予算を集中させます。
予算配分を最適化するには効果測定を継続的に行い、成果に応じて配分を柔軟に見直すことも大切です。
効果が高くなるメディアを選定する
メディアミックスではただ複数のメディアを使って発信すれば良いわけではありません。ターゲットと親和性が高く、効果が見込めるメディアの選定が成功の鍵です。
効果の高いメディアに集中投資することで、認知拡大やリード獲得の効率が大幅に向上します。
そのためには過去のデータやターゲットの特性への理解を深めることが不可欠です。
メディアに合ったコンテンツを用意する
メディアごとに異なるコンテンツを用意しましょう。
各メディアの特性や、ユーザーの期待や行動も異なるため、それに合わせて最適な情報を発信することでコンテンツの受容度や反応率が高まり、マーケティング効果を最大化することができるからです。
例えば、SNSでは視覚的に訴える短文や動画が効果的です。
一方で、オウンドメディアでは文字数が多く、専門性の高い記事が求められます。
BtoB企業のメディアミックスの実践例
この章ではBtoB企業のマーケティングでのメディアミックスのやり方の例をご紹介します。
テレビCM×WEBサイト
視聴者数の多いテレビCMで一気に認知拡大を狙います。
その一方で、自社サイトも充実させ、テレビCMでは伝えきれない詳細な情報を提供し、コンバージョンに繋げます。
ネットが普及し、スマホやパソコンの所有率が高い今、王道のメディアミックスの方法です。
セミナー登壇×業界誌広告×オウンドメディア
セミナーに登壇し、専門性をアピールしつつ、参加者との接点を作ります。
また、業界誌に広告を載せることで、業界内の信頼感や知名度を上げます。
さらに、オウンドメディアでターゲットにとって有益な情報を継続的に提供していきます。
BtoBに向いているメディアミックスのやり方です。
展示会×業界WEBメディア×SNS
BtoB企業では定番のリード獲得手段である展示会。
展示会だけで終わらせず、関係性を維持していくためには
- 業界のWEBメディアに広告を出す
- SNSで発信し続ける
といったデジタルを用いたマーケティング施策を行うのがおすすめです。
屋外広告×ラジオCM×紙のDM
地域密着型の事業に向いているメディアミックスです。
屋外広告は毎日のように見ることで
- 接触回数が増えて企業が認知される
- 親しみを感じる
このような効果が狙えます。
また、ラジオCMでは音声によるアピールができます。
さらに、紙のDMで興味を持った層にアクションを促すのも効果的。
地域性のあるビジネスに向いているメディアを上手く活用しましょう。
メディアミックスとクロスメディアの違い
メディアミックスと似た言葉に「クロスメディア」があります。
クロスメディアでは複数のメディアを連動させ、一貫した導線でターゲットを誘導しながら1つの広告を展開します。
メディアミックスとの大きな違いは、段階的に次のメディアへとターゲットを移動させること。
例えば、BtoB企業の場合、次のようなクロスメディア戦略があります。
- 業界誌の広告にLPに繋がるQRコードを掲載
- LPで課題の提起を行う
- ウェビナーへ誘導
クロスメディアでは広告を展開する中でユーザーが教育されていきます。
エンターテイメント業界におけるメディアミックスとは
メディアミックスという言葉はマーケティングだけでなく、エンターテイメント業界でも使われます。
エンターテイメント業界での「メディアミックス」は1つのコンテンツを複数のメディアで展開し、認知拡大、ファン化、売上アップなどを目指すものです。
例えば、漫画のよくあるメディアミックスとして
- アニメ化
- 実写化
- 舞台化
- カードゲーム化
- ゲーム化
- グッズ展開
があります。
まとめ
マーケティングでのメディアミックスとは複数の媒体で同時に広告を展開し、認知拡大や購買意欲の促進を狙うものです。
メディアミックスで効果を出すには、まずは目標を具体的に設定し、それを達成するために最適なメディアを選び、適切に予算を配分することが求められます。
複数のメディアを同時に運用するとお金も労力もかかりますが、その分、上手く運用すれば得られる効果も大きいです。
今のマーケティング戦略では不十分だと感じているなら、メディアミックスを取り入れてみてはいかがでしょうか?