この記事では次の内容をまとめています。
・SFAツールとは?
・SFAツールの主な機能
・SFAツールを導入するメリット
SFA(営業支援)ツールを導入しようか迷っている企業の担当者が知っておくべきことを全てまとめました。
SFA(営業支援)ツールとは?
SFAは”Sales Force Automation”の略。
SFAツールは日本語で「営業支援ツール」となります。
営業活動をサポートするためのツールで、商談の進捗状況や、顧客情報を一元管理します。
例えば、顧客に対してどのような営業をしたのか、そしてその反応はどうだったかといったことを記録します。
情報が貯まっていくと、どのような営業方法が効果的なのか、次にすべきアプローチは何かが見えてきます。
企業はSFAツールを導入することで、営業活動を効率化・可視化することができます。
また、情報を一元的に管理することで、営業担当者の業務負担が減ったり、属人化の防止になる効果もあります。
SFA(営業支援)ツールの主な機能4つ
この章ではSFA(営業支援)ツールに搭載されている主な機能をご紹介します。
①案件管理機能
②顧客管理機能
③活動管理機能
④予実管理機能
案件管理機能
顧客と最初に接点を持ってから受注に至るまでの進捗を記録する機能です。
例えば、次のような情報を管理します。
- 商談状況
- 提案内容
- 見積もり金額
- 売上金額
情報はSFAツールで一元管理されるので、担当でなくても他の案件がどのような状況かをリアルタイムで把握することができます。
また、情報が蓄積することで案件ごとの予想成約率や次に行うべきアクションが分かるようになります。
顧客管理機能
見込み客や既存顧客の情報を管理する機能です。
顧客情報には次のようなものがあります。
- 企業名
- 担当者名
- 企業情報
- 連絡先
- 問い合わせの履歴
- クレームの履歴
- 営業活動に対する反応
顧客情報が充実すると顧客のニーズが分かりやすくなり、満足度が高く、成功率も高い商談ができるようになります。
活動管理機能
営業担当者の活動を管理する機能です。
- 担当者のスケジュール
- 営業件数
- 訪問件数
- 提案数
などを記録します。
日々の活動がデータ化されることにより、上司は部下に対して的確なフィードバックや提案が可能となります。
さらに、成果を上げている担当者の行動パターンを分析することで、部全体の営業力強化にも活用できます。
予実管理機能
売上予測をする機能です。
受注予定の案件と、その予想成約率をもとに、数字を導き出します。
営業担当者ごと、部署全体、期間ごとなど、様々な条件で集計が可能です。
精度の高い売上予測が出ると、営業組織全体の意識向上に繋がります。
SFA(営業支援)ツールとMAツールの違い
MAは”Marketing Automation”の略で、MAツールはマーケティング業務を効率化・自動化するツールです。
見込み客に対し、関心度に合ったアプローチをすることで商談に繋げることを目指します。
具体的には顧客の行動履歴を管理したり、自動でコンテンツを配信したりします。
SFAツールは営業や商談のフェーズで使われるのに対し、MAツールはその前の見込み客を教育するプロセスで使われます。
SFA(営業支援)ツールとCRMツールの違い
CRMは”Customer Relationship Management”の略で、顧客関係管理という意味です。
顧客との関係を長期に渡って良いものにするために使われるツールです。
- 顧客情報
- 購入記録
- 問い合わせ・やり取りの記録
こうした情報を管理・分析することで顧客満足度を上げるアプローチ方法を導き出します。
SFA(営業支援)ツールは営業活動に重点を置いていて、CRMは顧客に重点を置いているという違いがあります。
ただし、SFAとCRMは常にそれぞれ独立しているツールというわけではなく、種類によってはSFAの中にCRMの機能が含まれていることもあります。
SFA(営業支援)ツールとMA・CRMは連携できる?
SFA(営業支援)ツールはMAツールやCRMツールと連携することができます。
MAやCRMと連携すればあらゆる情報が一元化され、部門間の連携がスムーズになります。
また、リード獲得からの顧客の行動履歴を可視化できるため、アプローチの精度が高くなります。
ただし、連携できるツールの種類は製品によって異なりますので、契約前によく確認しましょう。
SFA(営業支援)ツールを導入するメリット7つ
この章では企業がSFAツールを導入するメリットをご紹介します。
①社内の営業活動の全体像が見える
②営業活動の効率化が進む
③顧客のニーズへの理解が深まる
④意思決定が早くなる
⑤効果的な営業ノウハウが貯まる
⑥外出先でも使える
⑦売上予測を立てられる
社内の営業活動の全体像が見える
営業支援システムを使うと、社内の営業活動が可視化されます。
そのため、マネジメントを行う立場にとっては部下が日々どのような業務を行い、どのような案件を抱えているのかが一目で分かるというメリットがあります。
また、社員間でも情報共有がしやすくなります。
営業活動の効率化が進む
SFAツールでは貯まった情報をもとに成功率の高いアプローチ方法が提案されるため、確度の高い営業活動ができるようになり、効率化が進みます。
また、各顧客へのこれまでの提案内容が記録されているので、業務の無駄や重複を減らすことができます。
さらに、報告書の作成を自動化できるツールもあり、書類の作成にかけていた時間も減らすことができます。
これにより、営業担当者はより重要な業務に時間を割くことができるようになります。
顧客のニーズへの理解が深まる
これまでの商談内容や問い合わせ内容が蓄積されるため、顧客の関心やニーズに対する理解が深まります。
その結果、顧客に響く提案が可能になり、商談の成功率が高くなるのはもちろんのこと、顧客満足度も高くなり、企業に対する信頼度を上げることができます。
意思決定が早くなる
顧客への理解が深まることで最適なアプローチ方法が見えやすくなり、意思決定のスピードが早くなります。
テンポ良く次々と必要な行動を行うことによって、競合他社よりも先に顧客との信頼関係を築くことができ、成約にも繋がりやすくなるでしょう。
効果的な営業ノウハウが貯まる
契約に繋がった営業活動の情報がツール内に蓄積されることで、再現性のある効果的な営業手法が社内で確立されます。
これを社員たちに共有し、さらに新人への教育でも伝えることで、組織全体の営業力を高められます。
外出先でも使える
営業支援システムは種類によってはモバイル端末からも利用可能です。
そのため、外出先からでもリアルタイムで顧客情報を確認して商談に生かしたり、直後に商談報告を記録したりといったことが可能です。
売上予測を立てられる
様々なデータをもとに売上予測を立てられます。
一元化されたデータをもとにしているため精度は高く、経営判断や予算策定に非常に役立ちます。
SFA(営業支援)ツールを導入するデメリット3つ
この章では企業がSFAツールを導入するデメリットをご紹介します。
①導入コストがかかる
②ランニングコストがかかる
③使用方法を教育する必要がある
導入コストがかかる
SFAツールは基本的に導入する際にコストがかかります。
ツールによっては最初のカスタマイズや、他のシステムとの連携によって追加のコストが発生する場合もあります。
それだけに、導入の際はコストに見合うリターンがあるかを慎重に判断する必要があります。
ランニングコストがかかる
導入後も運用にコストがかかることも。
例えば、
- 月額の利用料
- ユーザーを追加するごとに発生する課金
- 保守サポート費用
などがあります。
SFAツールは長期的に利用するのが前提ですから、こうした費用も無視できません。
使用方法を教育する必要がある
SFAツールを最大限活用するには社員一人一人が正しく使いこなすことが欠かせません。
そのためには最初に社員に対して営業支援システムの使用方法を教育する機会を設ける必要があります。
最初はこうした教育に時間も手間もかかることを把握しておきましょう。
あわせて社内マニュアルを作成しておけば、新人への指導を効率的に行えるようになりますよ。
SFA(営業支援)ツールの選び方や比較のポイント10選
この章では営業支援ツールを選ぶときに見るべきポイントや、他の製品と比較すべき点をご紹介します。
①自社の営業スタイルに合っているか
②課題解決に必要な機能が備わっているか
③自社の規模に合っているか
④投資分を回収できるか
⑤セキュリティ対策
⑥サポート体制
⑦操作性
⑧カスタマイズ性
⑨ユーザーのコミュニティが活発か
⑩頻繁に更新されているか
自社の営業スタイルに合っているか
SFAツールは製品によって搭載されている機能が異なります。
そこで、
- 自社の営業スタイルに合っているか
- 活用できる機能があるか
を確認しましょう。
ツールによって得意とする業種も変わるため、自社と似たような業種の企業の導入事例があるかどうかも見ておくと安心です。
課題解決に必要な機能が備わっているか
現時点で自社の営業部門が抱えている課題を解決するのに役立つ機能があるSFAツールを選びましょう。
このとき、上の立場の人間だけで課題を考えるのではなく、実際に現場で働く社員が感じている課題を取り上げることが大事です。
自社の規模に合っているか
企業の規模に合った営業支援ツールを導入することも大事です。
例えば、中小企業が大企業向けのSFAを導入すると、全ての機能を使いこなすことは難しく、費用対効果が低くなります。
必要な機能を無駄なく活用し、業務効率化とコストのバランスの最適化を図るためにも、自社の規模に合ったSFAを選びましょう。
投資分を回収できるか
先ほどもご説明したように、営業支援ツールを導入するにはコストがかかります。
そこで、SFAツールを導入することで、投資した分のリターンがあるかを慎重に判断する必要があります。
このとき、初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮した上で判断しましょう。
セキュリティ対策
SFAツールは社内の営業に関する全ての情報を蓄積するもので、顧客の重要な情報も管理します。
そのため、セキュリティ対策が万全であることが欠かせません。
セキュリティに力を入れている製品を使用しましょう。
サポート体制
サポートが充実していると心強いです。
使い方が分からないときに質問でき、対応も早ければとても助かります。
また、システムでトラブルが発生したときに迅速に対応してくれるかどうかも見るべきポイントです。
操作性
「使いやすさ」も大事なポイントです。
操作性が良くなければ、現場の社員にとって使いこなすことが難しく、社内に営業支援ツールが浸透するまで時間がかかってしまいます。
社内の営業人材のITリテラシーに合わせて製品を選びましょう。
カスタマイズ性
カスタマイズの幅が広いと、より企業に合ったツールになり、成果が出やすくなります。
また、組織変更や事業拡大があっても柔軟に対応できるため、長期的に使うことができます。
ユーザーのコミュニティが活発か
SFAツールのユーザーのコミュニティが活発だと大きなメリットがあります。
コミュニティではツールの使用方法や活用のコツをユーザー同士で共有するため、ツールについて理解が深まるのはもちろんのこと、業務改善のヒントを得られます。
コミュニティが活発ということは、それだけユーザーが多いツールということなので、選定の際にコミュニティについても情報収集をしましょう。
頻繁に更新されているか
近年は営業方法の種類が増えたり、新しいデジタルデバイスが誕生したりと、営業を取り巻く世界が目まぐるしく進化し続けています。
だからこそ、頻繁にアップデートし、最新の営業事情に対応しているSFAツールなら、常に営業効率を最大化することができ、とても心強いです。
SFAツール(営業支援)を活用して営業活動の成果を出す方法4つ
この章では営業支援ツールを最大限活用するために必要なことをご紹介します。
①SFAツールを導入する目的を明確にする
②データから効率的な営業方法を導き出す
③データから分かった課題を解決する
④MAやCRMツールと連携する
SFAツールを導入する目的を明確にする
SFAツールを導入する目的や営業部門が抱えている課題を明確にしましょう。
それに合ったSFAツールを選ぶことで全体の営業成績が上がりやすくなるからです。
SFAツールは製品によって得意分野や備えている機能が異なるので、選定の際にいくつかのツールを比較し、自社に最も合っているものを選びましょう。
データから効率的な営業方法を導き出す
SFAツールを使うならぜひ活用したいのが分析機能です。
これまでの営業活動のデータから成果につながりやすい営業パターンを分析できます。
例えば、
- どのタイミングでアプローチすると成約率が高いか
- どの顧客層にどんな提案が有効か
このようなことが見えてくるため、感覚に頼らない確度の高い営業戦略が立てられます。
データから分かった課題を解決する
営業成績を上げ続けていくためには常に現場の課題を見極め、迅速に対処していくことが求められます。
例えば、訪問件数が少なくなっていることがデータから分かった場合、訪問件数を増やすという改善策を講じることで解決に向かうでしょう。
定期的にSFAツールのデータを分析し、営業が抱える課題を特定しましょう。
MAやCRMツールと連携する
SFAはMAやCRMと連携することでさらに活用できます。
全てを連携すると、見込み客の獲得から成約後のフォローアップまでを一元管理できるため、営業とマーケティングの連携が強化され、顧客対応の質も向上します。
企業にとっても顧客にとってもメリットがあります。
MAやCRMと連携できるSFAを選びましょう。
SFA(営業支援)ツールは無料で使える?
SFAツールの中には無料で使えるものもあります。
無料のSFAツールのメリットはなんといっても初期費用やランニングコストを抑えられること。
一方で、無料の営業支援ツールには注意点もあります。
まず、使える機能が限られていて、自社の課題を解決するのにあまり役立たない場合があること。
また、利用可能なアカウント数が制限されていることもあります。
無料のSFAツールを使うなら、機能やできることを確認しましょう。
SFA(営業支援)ツールを導入すべき企業の特徴3つ
この章ではSFAツールを活用すべき企業の特徴をご紹介します。
①営業活動が属人化している
②営業担当者同士で情報共有が上手くできていない
③売上予測の精度が低い
営業活動が属人化している
- 効果的な営業ノウハウが属人化している
- 社員間の営業成績の差が激しい
このようなケースです。
SFAツールを導入すれば、全営業担当者の活動内容が記録されるため、営業成績が優秀な社員の行動を会社が把握することができます。
これにより、成功パターンの共有が可能になり、属人化を解消することができます。
営業担当者同士で情報共有が上手くできていない
営業部門内で顧客情報や案件の進捗状況が共有されていないと、提案の重複などのミスが起こりやすくなります。
SFAは顧客の情報やこれまでのアプローチの内容が記録されていますし、リアルタイムで情報が更新されるため、情報共有がしやすくなり、チーム全体の連携がスムーズになります。
売上予測の精度が低い
売上の予測を出すものの、いつもあまり精度が高くないという場合にもSFAが使えます。
SFAでは
- 過去の実績データ
- 各案件の予想成功率
- 各案件の金額
などをもとに、より精度の高い売上予測を導き出します。
まとめ
SFA(営業支援ツール)は営業活動のフェーズで使われるもので、商談の進捗や顧客情報の管理を一元化します。
SFAツールを使いこなせば、営業の効率が上がり、成績も良くなります。
自社に合ったツールを見極め、活用しましょう。