この記事では次の内容をまとめています。
・GTM(Go-to-Market)とは?
・GTM(Go-to-Market)戦略のメリット
・GTM(Go-to-Market)戦略のフレームワーク
GTM戦略を取り入れようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
GTM(Go-to-Market)とは?
新しい製品やサービスを発売する際、どのような流れで顧客に届けるかをまとめた戦略です。
日本語では「市場進出戦略」と言えます。
参入する市場、ターゲット、競合と細かい点まで調査・分析した上で、適切な販売方法を計画します。
GTM(Go-to-Market)とRTM(Routes-to-Market)の違い
RTMは「どの販売経路を通じて顧客に届けるか」に焦点を当てた戦略です。
直販、代理店、EC、パートナー販売など、最適なチャネルの設計が中心となります。
つまり、GTMは市場に参入するに当たって全体の設計図を作る一方で、RTMはその中の流通・販売チャネル戦略に絞って戦略を考えます。
GTM(Go-to-Market)戦略のメリット4つ
この章ではGTM戦略のメリットをご紹介します。
1.初期投資が最小限で済む
2.市場での優位性を確保できる
3.収益の最大化
4.部門間における共通の認識ができる
初期投資が最小限で済む
GTM戦略を行えば、狙うべき市場や顧客層が明確になるため、最低限の予算で成果を出すことができます。
新規事業を立ち上げたり、新しい市場に参入する際には多額の費用がかかるものです。
ターゲットを絞らずに広告や営業活動を行うと、多くの時間とコストが無駄になる可能性があります。
そこで、GTM戦略によって狙いを適切に定め、不要な施策を減らすことで、初期投資を抑えながら市場開拓を進められます。
市場での優位性を確保できる
GTM戦略では自社の強み、顧客が抱える課題、競合の状況を分析したうえで、どのような価値を訴求するかを明確にします。
その結果、「なぜ自社を選ぶべきなのか」を具体的に示せるようになり、独自のポジションによって優位性を保つことができ、価格競争にも巻き込まれにくくなります。
収益の最大化
最もニーズの高い顧客層に対して適切な価格設定と販売方法を選択できるようになります。
これにより、最適な単価を選び、また、受注率も向上することで、売上と利益の両方を伸ばせます。
また、効率的に見込み客を育成できるため、顧客獲得コストの削減にも繋がります。
結果として、限られたリソースでも高い投資対効果を実現し、収益を最大化します。
部門間における共通の認識ができる
GTM戦略において検討する内容はマーケティングや営業など、様々な部門に関わるものです。
これらの部署の中で共通認識が持てていなければ、顧客に混乱を招いたり、訴求メッセージが弱く、売上不振に繋がる可能性があります。
一方で、GTM戦略によってターゲット顧客、提供価値、販売方法について各部門が共通認識を持てば、一貫したメッセージと行動を実現できます。
部門間の連携が強化されることで、顧客対応の質も向上し、戦略の実行スピードと成果の両方を高めることができます。
GTM(Go-to-Market)戦略のフレームワーク9つ
この章ではGTM戦略で行われるプロセスを流れに沿ってご説明します。
1.ターゲット市場の調査
2.ペルソナを決める
3.競合分析
4.顧客へのキーメッセージを決める
5.バイヤージャーニーの作成
6.マーケティングチャネルの選定
7.販売戦略
8.目標の設定
9.プロセスの決定
ターゲット市場の調査
新しい製品やサービスを投入する市場を決めるプロセスです。
市場調査を行い、
・市場規模
・トレンド
・シェア
・成長性
などを知ることで、参入すべきところが分かります。
業界によって抱える課題や予算規模は異なるため、十分な市場調査が欠かせません。
ペルソナを決める
「誰」に製品・サービスを提供するのかを決めます。
・顧客が抱えるニーズ
・顧客が求める解決策
・解決のためにいくらまでなら支払うか
といったことを見ながら、単なる属性だけでなく、置かれている状況まで深掘りします。
また、BtoBの場合、企業そのものだけでなく、購買に関与する担当者や決裁者など、企業内の人物の役割をそれぞれ理解することが重要です。
競合分析
自社の立ち位置を明確にするためには競合分析が不可欠です。
・競合のターゲット
・競合の製品・サービスの特徴
・競合が訴求しているポイント
・競合の製品価格
こうしたことを分析することで、自社が取るべきポジションが見えます。
このとき、直接的な競合だけでなく、間接的な競合についても調査を行いましょう。
顧客へのキーメッセージを決める
キーメッセージとはターゲットに製品・サービスの魅力を伝える言葉のこと。
関心を引くキーメッセージにするには
・顧客が抱える悩み
・顧客が持つ懸念事項
・製品・サービスがもたらす価値
・競合他社と差別化できる点
こうした点を踏まえて作成します。
キーメッセージは商談、WEBサイト、広報など、あらゆる場面で一貫して使用されます。
バイヤージャーニーの作成
バイヤージャーニーとは顧客が自らの課題に気づき、自社の製品を認知し、購入に至るまでの流れのことです。
大きく「認識」、「検討」、「決定」の3つの段階に分かれており、それぞれの段階で適切なコンテンツを顧客に提供することで効果的なアプローチが可能となります。
各段階での顧客の心理や行動を整理しましょう。
マーケティングチャネルの選定
チャネルとは顧客との接点や、購入までの経路のことを指します。
先ほどのバイヤージャーニーで整理した内容をもとに、適切なチャネルを設定します。
例えば、認知段階では顧客は自身の課題に気づいている状態なので、SNSやWEB広告など、まずは自社の製品やサービスを認知してもらえるようなチャネルが適しています。
このとき、ただチャネルを選定するだけでなく、それを運用するに当たってかかるコストや費用対効果も考慮し、適切なものを選ぶのがポイントです。
販売戦略
販売戦略とは製品やサービスを顧客に購入・契約してもらうための計画を立てるもので
・価格
・営業方法
・販売地域
などを決定します。
市場動向は常に変化しているため、状況に応じて販売戦略が変更されることもあります。
目標の設定
GTM戦略における具体的な目標を決めましょう。
・数値目標を設定する
・期限を設ける
このようなポイントを押さえることで、施策の成果を客観的に評価できますし、改善すべきポイントも分かります。
設定すべき評価指標については後の章でご紹介します。
プロセスの決定
これまでに練った戦略をもとに具体的なプロセスを決め、実行に移していきます。
具体的な行動内容を決めるのはもちろんのこと、担当者やスケジュールなど細かい部分まで設定します。
誰が見ても分かるようにまとめると各部門の役割分担が明確になりますし、トラブルが発生した際の責任の所在も見えるようになります。
GTM(Go-to-Market)戦略の評価指標8つ
この章ではGTM戦略における主な評価指標をご紹介します。
1.CARR
2.LTV
3.ROI
4.CAC
5.顧客獲得数
6.市場占有率
7.リード獲得数
8.KGIに対するKPI
CARR
年間経常収益の総計を示す指標です。
定期購入やサブスクリプションといったビジネスモデルで使われ、CARRが高ければ高いほどビジネスが安定しており、将来的な収入も見込めるということになります。
LTV
顧客が生涯にわたってもたらす利益を示す指標です。
「顧客生涯価値」を意味する“Life Time Value”の頭文字を取っています。
注力すべき顧客層や、収益性の高さを判断するために使用されます。
ROI
投資対効果、つまり、投資に対してどれくらいの利益を得られたかを示す指標です。
新しい市場に進出する際は限られたリソースで最大限の成果を出すことが求められるため、ROIを把握しながら施策を進めることが重要です。
CAC
新規顧客一人を獲得するのにかかった費用が分かります。
GTM戦略が効果的であれば、CACは低くなります。
顧客獲得数
新たに契約・導入に至った顧客数を示す基本的な指標です。
広告キャンペーンなど、施策を行った後で確認することで、各施策の成功度合いを把握できます。
市場占有率
市場の中で自社がどれくらいのシェアを持っているかを示す値で、割合が高いほど、競争力が高いということです。
競合のシェア率と比較することで、自社のポジショニングや優位性、さらには課題も明確になります。
リード獲得数
見込み客の獲得数を測るものです。
GTM戦略で設計したマーケティング施策が上手く機能しているかを確認する重要な指標となります。
単純な数だけでなく、ターゲットに合致した質の高いリードになっているかどうかも確認しましょう。
KGIに対するKPI
KGI(重要目標達成指標)は最終的なゴールを示し、KPI(重要業績評価指標)はその達成までの進捗を測る指標です。
例えば、「年間売上10億円」がKGIの場合、「月間リード数」「商談化率」などがKPIとなります。
GTM戦略では、KGIだけを追うのではなく、そこへ至る過程をKPIで細かく管理し、結果を分析することで、課題を早期に発見し、迅速に改善することができます。
まとめ
GTM(Go-to-Market)戦略とは新しい製品・サービスを顧客に届けるまでの流れを計画したものです。
GTM戦略を丁寧に行うことで、新製品であっても市場でポジションを確保することができますし、最低限の投資で高い売上を出すことができます。
今回ご紹介したプロセスに沿って効果的な施策を導き出しましょう。
