BtoB企業の相見積もり対策完全ガイド|価格競争から脱却する方法を徹底解説
この章では次の内容をまとめています。
・相見積もりで負けるよくある理由
・相見積もりで顧客が見るポイント
・相見積もりで競合他社に勝つ方法
BtoB営業の際、相見積もりでいつも競合他社に負けてしまったり、価格競争に巻き込まれる企業が知っておくべきことをご紹介します。
なぜBtoB営業で相見積もりが避けられないのか?
BtoBでの取引に相見積もりが避けられない理由には次のようなものがあります。
- ・複数社から見積もりを取ることが社内で決まりになっている
- ・担当者が決裁者に選定の理由や妥当性を説明しなければいけない
- ・ネットを利用して候補となる企業を簡単に見つけられるようになった
BtoB営業では顧客が相見積もりを行うケースが多いからこそ、対策が欠かせません。
相見積もりで負けるよくある理由4つ
この章ではBtoB企業が相見積もりで負ける主な理由をご紹介します。
1.他社の方が安い
2.提案のタイミングが遅い
3.決裁者の許可が下りなかった
4.ネットで調べたときに会社の情報が出てこなかった
他社の方が安い
他社が提示した金額よりも高かったために負けるパターンです。
価格競争に巻き込まれると金額のみで判断され、断られてしまいます。
企業によって条件やサポート体制、強みは異なるはずですが、顧客が企業間の違いを把握できていないと「同じ内容なら安い方を選ぼう」と思われてしまいます。
提案のタイミングが遅い
見積もりの提案のタイミングも非常に重要です。
早く提示した方が成功率は高くなります。
なぜなら、提案が遅いと、先に提案した企業を中心に話が進んでしまい、自社が提示する頃には「もうほぼほぼ他の会社に決めている」という状況になりやすいからです。
決裁者の許可が下りなかった
担当者が自社に対して前向きでも、最終的な決裁権を持つ役員や社長の承認を得られず失注するケースです。
これは担当者が社内稟議で選定理由や導入によって得られる成果を十分に提示できていないことが原因です。
担当者だけでなく、決裁者も説得できるようにアプローチする必要があります。
ネットで調べたときに会社の情報が出てこなかった
相見積もりの検討時、顧客や決裁者は候補企業の情報や評判をネットで確認するケースも多いです。
このとき、検索しても会社の情報や導入実績が出てこないと、企業の信頼性について不安を感じます。
このようにWeb上の情報の不足が失注の原因になります。
相見積もりの際に顧客が見るポイント7つ
この章では相見積もりの際に顧客がチェックするポイントをご紹介します。
1.金額
2.費用対効果
3.金額に含まれるもの・含まれないもの
4.課題解決の実現可能性
5.導入実績
6.企業の信頼性
7.担当者の対応
金額
見積金額は
- ・予算内に収まっているか
- ・競合と比較して妥当か
を判断する基本的な基準です。
ただし、単に金額の大きさだけでなく「価値に見合う金額か」という視点でもチェックされます。
費用対効果
投資する費用に対してどれだけの成果が得られるかが重視されます。
例えば
- ・このサービスを導入することでどれだけ売上が上がるか
- ・この機械を導入することでどれだけのコスト削減に繋がるか
というような点を見られます。
金額に含まれるもの・含まれないもの
提示金額の範囲内で何がカバーされ、どこからが追加費用になるのかも大事なポイントです。
導入後に予期せぬ追加費用が発生し、最終的に予算を大幅に超えてしまうというケースも少なくないからこそ、サポート範囲は厳密にチェックされます。
課題解決の実現可能性
企業が抱える課題に対し、提案された内容で本当に解決できるかという実現可能性も見られます。
抽象的な言葉ではなく、具体的かつ説得力のある実行プロセスやアプローチを示すことで、信頼性が高くなります。
導入実績
同業界・同規模の企業での導入実績が豊富であれば「他社で成果が出ているなら自社でも安心」という強力な根拠となり、社内稟議の通しやすさにも直結します。
企業の信頼性
BtoBでは長期的な取引になることが多く、契約金額も大きいため、
- ・途中で事業撤退しないか
- ・セキュリティ面で安心か
- ・コンプライアンス面で問題はないか
というように、経営基盤や情報管理体制の健全性など、あらゆる面から信頼性のある企業かどうかをチェックします。
担当者の対応
営業担当者の
- ・レスポンスの速さ
- ・提案の丁寧さ
- ・自社の課題に対する理解度
など、対応力も問われます。
BtoB取引では長くお付き合いしたいと思える担当者であるかどうかも大事なポイントです。
相見積もりで競合他社に勝つ方法15選
この章では相見積もりで価格競争に巻き込まれず、競合他社に勝つ方法をご紹介します。
1.初期から顧客に関わり信頼関係を築く
2.顧客の課題を自社が解決できることを説明する
3.ベネフィットを数字で示す
4.他社との違いをアピールする
5.同業の導入実績を見せる
6.顧客の状況や選定基準を聞き出す
7.選定基準を提案する
8.すぐに見積書を出す
9.金額の内訳を細かく説明する
10.プランを複数用意する
11.質問や連絡にはすぐに対応する
12.追加費用が発生するケースについて説明する
13.決裁者を説得する資料を用意する
14.比較・検討中に顧客と接触を続ける
15.WEB上の情報を充実させる
初期から顧客に関わり信頼関係を築く
顧客が相見積もりを検討し始める前の情報収集段階から関わりを持てると、相見積もりでの勝率が高くなります。
早い段階から接点を持つことで、顧客の信頼を得られるだけでなく、自社に有利な検討軸や要件を一緒に定義できるためです。
競合他社が参入する前に「相談相手」としてのポジションを確立しましょう。
顧客の課題を自社が解決できることを説明する
BtoB営業の際、単なる商品の機能説明で終わるのではなく、顧客が抱える課題に対して自社の商品・サービスがどう貢献できるかを明確に伝えましょう。
課題の背景や社内の状況を深掘りし、自社ならではのアプローチで課題解決に至る具体的なストーリーを提示することで、顧客は自社を選んだ際の成功イメージを明確に持つことができ、価値を感じさせることができます。
ベネフィットを数字で示す
- ・年間〇〇時間の削減
- ・売上〇〇%向上
など、具体的な数値でベネフィットを提示しましょう。
得られる成果が数字で可視化されることで、購入金額も単なるコストではなく「投資」として捉えてもらいやすくなり、他社との価格競争から脱却できます。
他社との違いをアピールする
自社独自の強み(USP)を明確にし、他社との違いを際立たせます。
機能面だけでなく、サポート体制の手厚さや運用の柔軟性など、競合が模倣しにくい独自の価値を強調しましょう。
「他社ではなく自社でなければならない理由」をしっかりと印象付けることで、相見積もりの際に前向きに検討されやすくなります。
同業の導入実績を見せる
顧客と同業界・同規模の企業における導入事例や成功実績を提示しましょう。
BtoBでの意思決定では「導入して失敗しないか」という不安の払拭が極めて重要です。
同業での成果や具体的な利用状況を示して安心感を与えれば、社内稟議や比較検討もスムーズに進むでしょう。
顧客の状況や選定基準を聞き出す
顧客へのヒアリングを通じて、今回の導入における
- ・優先順位
- ・予算感
- ・他社との比較軸
などの「選定基準」を把握しましょう。
顧客が何を重視して比較しているのかを把握することで、顧客の評価ポイントに刺さる提案ができるようになります。
選定基準を提案する
複数社から見積もりを取る際、顧客自身も自社に必要な評価軸を完璧に整理できていないケースがあります。
そこで、相見積もりの際に重視すべき評価基準を自社側から提案し、自社の強みが活きる評価軸を検討条件に含めてもらえれば、自社に有利な土俵で相見積もりを進められます。
このように評価軸を決めるサポートを行うには、早い段階から企業に関わり、信頼関係を築いておくことが欠かせません。
すぐに見積書を出す
依頼を受けてから見積書を提出するまでの速さは、営業姿勢や対応力の高さをアピールする大きなチャンスです。
また、他社に先駆けて見積もりを提出することで、顧客の検討が自社の基準ベースで進める可能性が高くなります。
金額の内訳を細かく説明する
見積もりを出す際は提示金額の総額だけでなく、詳細な内訳まで丁寧に記載しましょう。
何にいくらかかるのかが透明化されると、顧客は納得感を持って検討を進められます。
また、費用の妥当性を説明しやすくなるため、根拠のない値引き交渉を防ぎ、適正価格での受注を狙えます。
プランを複数用意する
見積もりを出すとき、「松・竹・梅」のように、機能や手厚さに応じた複数のプランを提示します。
これにより「自社にするか他社にするか」という比較から「どのプランにするか」という検討へと変えることができ、勝率が高くなります。
予算や求めるレベルに柔軟に対応し、顧客の離脱を防ぐことに繋がります。
質問や連絡にはすぐに対応する
顧客から聞かれた質問や確認事項に対して、迅速にレスポンスを行いましょう。
BtoB取引では「導入後のサポート対応の早さ」も重要視されるため、検討時の対応スピードが遅ければ「契約後の対応も遅いだろう」と判断され、企業の信頼性は大きく下がります。
一方で、迅速なコミュニケーションを徹底していれば、印象が良くなり、競合他社に対して大きな差別化を図れます。
追加費用が発生するケースについて説明する
契約後に発生する可能性のある追加費用については事前に伝えて詳しく説明しましょう。
後からのトラブルを防ぎ、「誠実で信頼できるパートナー」という好印象を与えます。
決裁者を説得する資料を用意する
現場担当者が上司や役員を説得し、社内稟議を通すための資料を先回りして作成・提供しましょう。
- ・課題解決の道筋
- ・導入効果の試算
- ・競合比較表
などを内容に含めることで、担当者の上司や決裁者に自社が最適な選択肢であることを伝えられます。
比較・検討中に顧客と接触を続ける
見積もりの提出後はそのまま放置せず、顧客と接触を続けます。
他の企業が接触を続けて、自社が何も連絡しないままでいれば、自社の存在感がどんどん薄くなり、他社に流れる確率が高くなるためです。
ただし、何も用がないのに連絡しては相手の時間を奪うだけですし、押し売りと思われかねません。
そこで、追加の情報提供や検討状況のフォローアップを行うなど、価値ある接触を重ねることで、顧客の記憶に残り続け、検討が難航した際も真っ先に相談される関係性を目指しましょう。
WEB上の情報を充実させる
比較検討中、顧客や決裁者は追加で情報を集めるために、ネットで候補企業の情報を確認します。
そのため、オウンドメディアや導入事例、事例動画などのコンテンツを充実させておくことで、企業の信頼性や実績を裏付けられます。
相見積もりのNG行動3つ
この章では相見積もりの際にしてはいけない行動をご紹介します。
1.値引きの要求にすぐに応じる
2.他社を悪く言う
3.失注したら顧客との関係を切る
値引きの要求にすぐに応じる
相手からの価格交渉に安易に応じると、「根拠のない高額な見積もりを出していた」と不信感を与え、企業の信頼性を自ら下げることになりかねません。
もし、値引きを要求されたら、安易に応じるのではなく、
- ・毎月の支払いではなく、1年分を一括で支払う
- ・導入後に顧客インタビューを受ける
- ・サポートの範囲を変える
といった条件とセットで応じることが大切です。
他社を悪く言う
競合他社の批判や不当な悪評を口にすることは、自社の信頼性を著しく損なうNG行動です。
企業としての品格やモラルを疑われる原因になります。
特に、既に顧客がその企業の製品を使っていたり、担当者と良い関係を築いていれば、印象は悪くなります。
他社との違いを伝える際は他社を下げるのではなく、
- ・客観的な事実としてデータを示す
- ・自社ならではの強みを伝える
このように伝えるのが鉄則です。
失注したら顧客との関係を切る
失注が決まった途端に顧客との連絡を絶ったり、不誠実な態度を取ったりするのは厳禁です。
BtoBでは、他社が選定されたもののプロジェクトが頓挫して再検討になったり、将来的に別の課題で相談されたりするケースが少なくないためです。
そこで、失注後も丁寧に連絡・対応を行い、良好な関係の維持に努めましょう。
まとめ
BtoB営業では相見積もりになる場面がよくあります。
提案の際に自社と他社との違いを伝えられていなければ、価格競争に巻き込まれ、安さだけで判断されてしまいます。
これを防ぐために、今回ご紹介した内容をもとに提案を行い、相見積もりで選ばれる企業を目指してくださいね。
