この記事では次の内容をまとめています。

・BtoB営業で決裁者対策が必要な理由
・決裁者が重要視するポイント
・決裁者を攻略する営業のポイント

BtoB営業で、いつも現場担当者の反応は良いものの、決裁者を説得できず失注になってしまう人が知っておくべきことを全てまとめました。

決裁者とは?

企業において商品やサービスの導入、契約の締結などを最終的に判断し、承認する権限を持つ人のことです。

BtoB営業では、実際に商談を行う相手と、最終的な決裁者が異なるケースが多くあります。

そのため、現場の担当者が導入に前向きであっても、決裁者の承認が得られず、契約に至らないということが起こります。

BtoB営業で決裁者対策が必要な理由2つ

この章ではBtoB営業で決裁者対策が求められる理由をご紹介します。

1.現場担当者と視点が違うから
2.競合対策になるから

現場担当者と視点が違うから

現場担当者と決裁者では、商品やサービスを導入する際に重視するポイントが異なります。

現場担当者は

  • ・業務効率の変化
  • ・使いやすさ

といった点を重視する一方、決裁者は

  • ・費用対効果
  • ・導入リスク
  • ・経営課題の解決に繋がるか

といった視点で判断します。

そのため、現場担当者から好感触を得られても、決裁者が求めるメリットを伝えられなければ、稟議は通りません。

競合対策になるから

企業が新しい商品やサービスを導入する際、複数の企業から提案を受け、比較検討した上で導入先を決めるケースが多いです。

このとき、現場担当者が自社を一番高く評価していても、競合他社の提案が決裁者の判断基準に合致すれば、契約を逃してしまうでしょう。

競合に勝つためにも決裁者対策は欠かせません。

BtoB営業で稟議・決裁が進む流れ

この章では企業の中で稟議や決裁が進む大まかな流れをご紹介します。

1.現場担当者が情報収集
2.稟議書作成
3.上長・関係部署による確認や承認
4.決裁者による判断

現場担当者が情報収集

まず現場担当者が自社の課題を解決するために、商品やサービスの情報を収集します。

その後、複数の企業から資料を取り寄せたり、営業担当者との商談を通じて機能や価格、導入効果などを比較します。

導入の必要性を感じた場合は検討を進め、上長や決裁者に提案するための情報を集めます。

稟議書作成

社内の承認を得るために稟議書を作成します。

稟議書には、

  • ・導入の目的や必要性
  • ・費用
  • ・期待できる効果

などを記載するのが一般的です。

このとき、営業担当者は現場担当者が稟議書を作成しやすいように

  • ・見積書
  • ・導入事例
  • ・費用対効果を示す資料

などを提供すると良いでしょう。

上長・関係部署による確認や承認

この段階では、導入の必要性だけでなく、予算の妥当性や既存システムとの整合性などが確認されます。

内容に不明点や懸念があれば、追加資料の提出や説明を求められることもあります。

営業担当者は、想定される疑問にあらかじめ回答を用意しておくことが大切です。

決裁者による判断

最後に、決裁権限を持つ人が稟議書や関連資料を確認し、導入の可否を判断します。

決裁者の見極め方4つ

この章では商談中に企業の決裁者を見極める方法をご紹介します。

1.商談中の言動
2.直接質問する
3.企業規模から推測する
4.会社組織の構成を把握する

商談中の言動

商談中の現場担当者の発言や質問から、決裁者について推測できる場合があります。

例えば「上の者と相談します」といったフレーズが出ると、本人が決裁者でないことが分かります。

また、価格や契約条件について具体的に質問したり、決めたりする人は、意思決定に深く関わっている可能性があります。

ただし、現場担当者が情報収集のために詳しく質問しているだけというケースもあるため、言動だけで判断せず、他の方法と組み合わせて見極めることが大切です。

直接質問する

質問を通して把握する方法もあります。

例えば

  • ・「この後、社内ではどのような手順で検討されますか」
  • ・「他にどなたにご説明が必要ですか?」

などと質問すると、決裁者や承認プロセスを把握しやすくなります。

相手に警戒心を与えないよう、あくまで導入を円滑に進めるための確認であることをアピールしながら質問しましょう。

企業規模から推測する

企業規模も決裁者を推測する際の参考になります。

小規模な企業では社長や役員が直接判断することがある一方、大企業では部署のトップや役員など、複数の決裁者がいることが多いです。

会社組織の構成を把握する

企業の公式サイトや組織図などを通して組織の構成を把握し、推測するというやり方もあります。

例えば、導入するサービスによっては、現場部門だけでなく、情報システム部門や購買部門が選定や承認に関与する場合があります。

決裁者が重要視するポイント5つ

この章では決裁者が新しい商品やサービスを導入する際に見るポイントをご紹介します。

1.企業の課題を解決するか
2.費用対効果
3.運用コスト
4.導入リスク
5.導入実績

企業の課題を解決するか

まず、商品やサービスの導入によって、自社が抱える課題を解決できるかどうかを重視します。

例えば、人手不足に悩む企業であれば業務の効率化、売上の伸び悩みを抱える企業であれば売上拡大への貢献が判断材料になります。

そのため、営業担当者は顧客企業の課題を把握し、導入によってどのような変化が期待できるのかを具体的に伝えることが重要です。

費用対効果

決裁者は導入にかかる費用に対して、どの程度の効果が得られるかという費用対効果も重視します。

優れた機能を備えた商品やサービスであっても、投資に見合う成果が期待できなければ、承認を得るのは難しくなります。

そのため、営業担当者は導入による売上の増加や業務時間の削減、人件費の抑制など、期待できる効果を具体的に示すことが大切です。

運用コスト

商品やサービスの導入費用だけでなく、導入後に継続して発生する運用コストも決裁者にとって重要なポイントです。

例えば、

  • ・月額利用料
  • ・保守費用
  • ・オプションの利用料

などが挙げられます。

そこで、営業担当者は導入時の費用だけでなく、運用する中で必要な費用も明確に伝える必要があります。

導入リスク

決裁者は導入によって生じるリスクについても考慮します。

例えば次のようなものです。

  • ・既存システムとの連携に問題が生じる可能性
  • ・導入直後に業務が滞るリスク
  • ・セキュリティ上の懸念

こうした不安が解消されなければ、導入に前向きにはなれないでしょう。

営業担当者は、想定されるリスクとその対策を事前に説明し、安心して導入を検討できるようにする必要があります。

導入実績

  • ・商品やサービスが実際に成果を上げているか
  • ・信頼できる企業か

といったことを判断するために、導入実績も重視します。

特に、同じ業種や同規模の企業で導入された実績があると、自社での活用をイメージしやすくなります。

決裁者へのアプローチ方法2つ

この章では決裁者にアプローチする方法をご紹介します。

1.現場担当者に決裁者用の資料を渡す
2.決裁者へ直接商談を行う

現場担当者に決裁者用の資料を渡す

決裁者と直接商談する機会がない場合は、決裁者向けの資料を用意し、現場担当者に渡しましょう。

資料には、商品やサービスの機能だけでなく、先ほどご紹介したように、費用対効果や導入実績など、決裁者が重視するポイントに関する情報を盛り込みましょう。

社内説明に活用できる資料をこちらで用意すると、現場担当者が導入の必要性を社内で伝えやすくなり、承認を得る可能性を高められます。

決裁者へ直接商談を行う

決裁者へ直接商談を行う方法もあります。

現場担当者を通じた情報提供だけでは、導入のメリットや自社の強みが十分に伝わらない場合もあります。

一方で、決裁者と直接話せば、狙い通りのアピールができますし、経営上の課題や導入に対する懸念などを把握することができ、それらに応じた提案ができます。

商談を設定する際は、現場担当者に目的やメリットを説明し、紹介や同席を依頼すると、スムーズに進めやすくなります。

決裁者を攻略する営業のポイント8つ

この章では決裁者を攻略し、商談を成功させるためのポイントをご紹介します。

1.まずは現場担当者を攻略する
2.企業が抱える課題を理解する
3.決裁者のリサーチを行う
4.社内での稟議の流れやスケジュールを把握する
5.決裁者にとってのベネフィットを提示する
6.数字を用いて成果を示す
7.同規模・同業種の企業の導入実績を見せる
8.稟議書は簡潔にまとめる

まずは現場担当者を攻略する

決裁者を説得するためには、まず現場担当者との信頼関係を築くことが重要です。

現場担当者は、商品やサービスの導入を検討し、社内で提案を進める役割を担います。

もし現場担当者が商品・サービスの魅力を感じられなければ、導入に前向きにはならないでしょう。

そこで、商談では担当者の悩みや要望を丁寧に聞き、解決に繋がる提案を行いましょう。

企業が抱える課題を理解する

決裁者を納得させるには、顧客企業が抱えている課題を正確に把握する必要があります。

商品やサービスを提案しても、決裁者が求める成果とズレていれば惹かれるものはありません。

現場担当者へのヒアリングや、企業・業界についての調査を行い

  • ・業務上の問題
  • ・目標
  • ・現在の取り組み

などを確認しましょう。

課題を把握し、自社の商品やサービスがどのように役立つのかを具体的に説明すれば「うちの企業のことをよく分かっている」と感じてもらえて、信頼性が増すでしょう。

決裁者のリサーチを行う

決裁者へ直接面談を行う場合、

  • ・企業の公式サイト
  • ・公開されているインタビュー
  • ・プレスリリース

といった媒体を利用して、商談前に決裁者の

  • ・役職
  • ・担当領域
  • ・関心のある経営課題

などをリサーチしておきましょう。

こうした情報は決裁者が重視するポイントを知れるだけでなく、話のネタにもなり「自分についてもしっかり下調べしている」と好印象を残すことができます。

社内での稟議の流れやスケジュールを把握する

顧客企業の稟議の流れや決裁までのスケジュールを事前に把握することも重要です。

どの部署が確認し、いつ承認され、最終的に誰が決裁するのかといったプロセスによって、必要な資料や対応が変わるためです。

現場担当者に稟議のプロセスを確認し、必要な準備を逆算して進めることで、商談の停滞を防ぎつつ、受注の確率も高くなります。

決裁者にとってのベネフィットを提示する

先ほども触れましたが、決裁者に提案する際は、商品やサービスの機能だけでなく、導入によって企業が得られる具体的なメリットを伝えましょう。

例えば

  • ・業務時間の短縮による生産性の向上
  • ・人件費の削減
  • ・売上拡大

など、経営上の成果と結びつけて説明することが大切です。

数字を用いて成果を示す

決裁者に導入の必要性を理解してもらうには、期待できる成果を数字で示すことが効果的です。

例えば、

  • ・業務時間を月に何時間削減できるのか
  • ・年間でどの程度のコスト削減が見込めるのか

など、具体的な数値を提示すると、導入効果を判断しやすくなります。

数値を算出する際は、顧客企業の現状や導入費用などを踏まえ、根拠のある試算を行いましょう。

同規模・同業種の企業の導入実績を見せる

同規模・同業種の企業における導入実績を提示するのも効果的です。

自社と似た課題を抱える企業の事例があれば、導入後の活用方法や成果をイメージしやすくなります。

事例を紹介する際は

  • ・導入前の課題
  • ・導入の決め手
  • ・導入後の変化

などを具体的に説明しましょう。

企業名や数字を使用する場合は、公開の許可を必ず取りましょう。

稟議書は簡潔にまとめる

決裁者は基本的に忙しいものです。

そこで、決裁者が稟議書を見た際に短時間で導入の必要性や妥当性を判断できるよう、情報を整理しておくことが重要です。

  • ・導入の目的
  • ・解決できる課題
  • ・費用
  • ・期待できる成果
  • ・導入リスクと対策

などを簡潔にまとめ、判断に必要な情報を優先して記載しましょう。

決裁者との商談での注意点2つ

この章では決裁者と商談を行う際に注意すべきポイントをご紹介します。

1.自社の都合を優先した一方的なアプローチをしない
2.商談で価格から話し始めない

自社の都合を優先した一方的なアプローチをしない

決裁者との商談では、自社の商品やサービスのメリットばかりを一方的に伝えないよう注意しましょう。

相手の課題や要望を十分に把握せずに提案を進めると、ニーズに合わないと判断される可能性がありますし、「押し売り」と思われるリスクもあります。

まずは決裁者の考えや懸念を丁寧に聞き、それに合った提案を行うことを心がけましょう。

商談で価格から話し始めない

商談では価格を最初に提示すると、その後にどれだけ商品・サービスの魅力を伝えても、金額だけで判断される可能性があります。

そこで、まずは導入の必要性、ベネフィット、費用対効果などを説明し、価値を理解してもらった上で、価格や契約条件を提示することが重要です。

まとめ

BtoBの営業では現場担当者とは別に決裁者がいることが多いからこそ、決裁者を攻略するコツを知っておくことが大事です。

現場担当者と決裁者では重視するポイントが違うため、稟議を通すには決裁者目線で説得力や魅力のある提案を行いましょう。